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EGFR遺伝子変異陽性肺がん


弘前大学医学部附属病院 呼吸器内科 田中 寿志先生による「EGFR遺伝子変異陽性肺がん」のプレゼンテーションです。

【目次】
0:17~非小細胞肺癌の治療について
1:44~肺癌の薬物療法の歴史と有用性について
4:52~EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)の違いについて
6:56~分子標的薬の毒性について
8;34~EGFR遺伝子変異の耐性について

【概要文】
非小細胞肺癌は、早期であれば、局所療法の手術療法や放射線療法が選択されます。放射線療法の中でも体幹部低位放射線治療は、切除手術が難しい高齢者でも治療可能ということで、近年注目を集めています。
一方、4期になってくると、薬物療法が選択されます。殺細胞性抗癌剤、免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬などがあります。

分子標的薬は、2004年にEGFR遺伝子変異、ALK遺伝子変異を標的としたものが最初に登場しました。
EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)は、現在、第1世代のゲフィチニブ、エルロチニブと、第2世代のジオトリフが販売されています。第1世代の薬剤は、表面抗原のErbB1の部位にのみ有効であったのに対し、第2世代の薬剤はErbB1、ErbB2、ErbB3、ErbB4にまで有効性があります。そのため、第1世代のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)で治療抵抗性を示した場合でも、第2世代のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)では治療効果が期待できます。

殺細胞性抗癌剤に比べて副作用が少ないとされている分子標的薬ですが、それでもいくつかの副作用が報告されています。
皮膚毒性が発生している場合には、ステロイド軟膏やヒルドイド軟膏で対応可能です。一方、最も注意が必要なのは、薬剤性肺障害です。発症のタイミングは投与1か月以内であることが多く、発症頻度は3~5%、発症した場合の死亡率は40%といわれています。発症した場合は、早急に専門医の治療が必要です。

EGFRチロシンキナーゼ阻害剤は、平均して10~13か月ほどで耐性が出てくるとされています。その一方で、耐性をもつ機序も解明されてきており、それに対抗する第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)の研究も進みつつあります。

このプレゼンテーションをご覧いただければ、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)の情報を網羅的に得ることが可能です。ぜひご覧ください。