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食道がんに対するチーム医療と低侵襲治療


【目次】
0:16~食道がん手術の特徴
1:35~岡山大学周術期管理センター(PERiO)について
6:03~食道がんに対する低侵襲手術について
14:14~食道がんに対するウイルス療法について

【概要文】
岡山大学病院 消化器外科 准教授 白川 靖博先生による「食道がんに対するチーム医療と低侵襲治療」のプレゼンテーションです。

食道がん手術は、あらゆる手術の中で最も合併症の発生率が高いとされています。合併症を防ぎ、患者さんの命を救うには、手術だけでなく周術管理も重要です。
岡山大学では、多職種間で組織横断的に業務を行い、快適で安全・安心な手術と周術期環境を提供することを目的として【周術期管理センター(PERiO)】を設置しています。近年、周術期管理についてはERAS(Enhanced recovery after surgery)が世界的に有名ですが、PERiOの取り組みはERASと多くの点でオーバーラップしています。
これから動画をご覧になる先生方の施設でも、PERiOの取り組みを参考にすることで、患者さんの合併症予防、早期離床につながるかもしれません。


食道がんに対する胸腔鏡下食道切除術と開胸手術の比較では、「反回神経麻痺の発生頻度は、胸腔鏡下手術の方が有意に高い」という報告があります。
そのため岡山大学では、反回神経麻痺の発生頻度を減らすために【微細解剖に基づく上縦隔リンパ節郭清の定型化】を行っています。この取り組みにより、手術時間と反回神経麻痺発生率が有意に減少しました。
動画では食道がんの低侵襲手術の様子を動画や画像でお示しいただきました。今後、食道がんの低侵襲手術を導入しようと考えてらっしゃる先生方には大変参考になるかと思います。


さらに岡山大学では、食道がんに対し、放射線治療を併用した腫瘍融解ウイルス【テロメライシン】の臨床研究を行っています。テロメライシンはウイルス製剤の一種で、腫瘍細胞に特異的に感染してアポトーシスを誘導することにより、効果を発揮します。
プレゼンテーションではテロメライシンの作用機序から効果、臨床研究の内容について解説していただきました。局所での奏効率は91.7%と、大変良好なデータが得られています。

研究が進み、テロメライシンが一般的に使用される時代がやってくるかもしれません。ぜひご覧ください。