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川田 研郎先生:頭頸部表在がんの内視鏡診断と治療

東京医科歯科大学 消化管外科 光学医療診療部 副部長 川田 研郎先生による「頭頸部表在がんの内視鏡診断と治療」のプレゼンテーションです。

頭頚部表在がんは主に中下咽頭・喉頭の声門上のがんのうち、がん細胞が上皮下層にとどまるものをいいます。リンパ節転移の有無は問われません。
従来は耳鼻咽喉科医による視診や内視鏡による診断が行われてきましたが、近年は消化器科の内視鏡の発展とともに消化器科医が頭頚部表在がんの診断、治療に積極的に関わる時代へシフトしています。

1990年代後半は内視鏡による頭頚部咽頭がんの診断例は非常に少ないものでした。そこに革新的な変化をもたらしたのはNBIという画像強調内視鏡です。
NBIと拡大内視鏡と組み合わせることにより、咽頭がんに特徴的なBrownish areaやBrown Dotsを見つけやすくなりました。
多施設共同前向きランダム化比較試験では頭頚部・食道の早期がんの診断では、白色光に比べてNBIが大きく貢献したと報告されています。

ただし、拡大内視鏡にも欠点があります。それは患者さんに咽頭反射を起こしやすく汎用性が低いことや、カメラが大きいために小回りが利きにくく、死角ができやすいという点です。
このような欠点を克服するために、経鼻内視鏡と耳鼻科領域で下咽頭を観察する際に行うValsalva法を組み合わせた観察を川田先生はここ10年ほど実践しておられます。この方法は経口内視鏡の欠点を克服しつつ、Valsalva法による得られる視野の変化によって、より死角を少なくした状態で咽頭や喉頭の観察を実現しています。
経鼻内視鏡の欠点は画質が悪い、拡大視できないということでした。しかし画質については年々改善され、現在は経口内視鏡と変わらないような画質で観察できるようになってきています。
また、画像強調内視鏡の発展もさらに進み、BLIというレーザー光を用いた観察法やLCIという中遠景からがんを探すことのできるモードも開発されています。これらの観察法やモードを使い分けることで、拡大しての観察ができなくても十分に診断が可能です。

さらに経鼻内視鏡+Valsalva法は次のようなケースにも応用できます。
・進行がんの範囲診断
・放射線治療後の評価、経過観察
・多発がんの診断
・頚部食道がんの口側進展の有無

下咽頭がんの治療は、従来はサイズの小さいものを経口的に内視鏡で切除されていました。
しかし近年はサイズの大きなものも内視鏡で切除する傾向になりつつあります。頭頚部癌診療ガイドライン2018では「T3(4cm以上)であっても症例によっては切除可能となるものもある。」と記載されています。
内視鏡での切除は術式によって、ELPS、ESD、TOVS、TORSなどがあります。
内視鏡治療後は、すぐに放射線を照射するのではなく、経過観察が原則となります。
東京医科歯科大学 消化管外科をはじめ、複数の施設で5年生存率は良好な成績が得られています。

動画では実際の内視鏡やがん切除の様子の画像・動画を織り交ぜてわかりやすく解説いただいております。ぜひご覧ください。

【目次】
0:27~頭頚部表在がんの診断
24:53~頭頚部表在がんの治療

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