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小児の先天性水腎症 -Part2-


虎の門病院 小児科 医長 小川 哲史先生によるプレゼンテーションPart2になります。

【目次】
00:11~ UTD分類
01:55~ 先天性水腎症の診療の方針
02:47~ 手術適応
03:23~ 軽度の場合の診療方針
03:43~ 高度の場合の診療方針
04:19~ 先天性水腎症の症例
05:13~ 予防的抗菌薬投与について
06:52~ 小児先天性水腎症の診療の手引き
07:25~ まとめ

【概要文】
先天性水腎症の評価方法として、SFU分類などに代わり、新たにUTD分類が提唱されています。
この分類方法は出生前・出生後ともに使用することができ、APD、腎杯拡張の状態、腎実質の厚さ、腎実質所見(輝度、嚢胞)、尿管所見、膀胱所見、出生前のみ羊水所見も併せて評価します。
従来の評価方法の弱点を補う目的で提唱されましたが、病態や通過障害との相関については今後の検討が期待されます。
先天性水腎症の診療方針は、軽度か高度かで大きく分かれます。SFU分類1~2度の軽度の場合、ほとんどが自然軽快しますが、定期的な超音波検査が必要になります。

SFU分類3~4度の高度の場合、自然軽快するものもありますが、手術を必要とする例も少なくありません。
超音波検査の他、利尿レノグラムまたはDMSAシンチグラフィによる腎機能評価も併用し経過観察をします。

手術適応となるのは、
①分腎機能40%以下の例や、経過観察中に分腎機能が5~10%低下した例、
②尿路感染症や腹痛の症状があったり、その症状のコントロールが不良の例になります。

先天性水腎症に対する予防的抗菌薬の投与は、現状個々の医師の判断に委ねられています。