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ガイドラインに沿った夜尿症診療~生活指導と薬物療法~ Part2


昭和大学横浜市北部病院 こどもセンター センター長 池田 裕一 先生によるプレゼンテーションPart2です。

【目次】
00:21~ ICCS提唱の夜尿症の標準的治療と夜尿症診療ガイドライン2016
02:17~ 夜尿対策のための行動療法
04:08~ 夜間多尿の定義
05:15~ デスモプレシンによる薬物療法
05:57~ ミニリンメルトOD錠の治療反応性と増量効果
07:12~ ミニリンメルト用量設定の経緯
07:30~ ミニリンメルトが尿浸透圧に及ぼす影響
08:06~ デスモプレシンが効きにくい時の原因
08:23~ ミニリンメルトと食事の関係(効果的な内服のタイミング)
09:01~ デスモプレシンを中止するコツ
09:36~ まとめ

【概要文】
ICSSが提唱している夜尿症の標準的治療では、排尿記録を取りその記録を元に生活指導を行いますが、それで改善が見られない場合、患者と家族にデスモプレシン治療か夜尿アラームを選択してもらいます。夜尿症診療ガイドライン2016においても同様のプロトコルが推奨されています。
ただし、初めに単一症候性か否かを分けるプロトコルとなっている点はISCC提唱の治療と異なります。 単一症候性は昼間の下部尿路症状を伴わないもので、非単一症候性は下部尿路症状を伴います。記録から単一症候性と判明した場合は、まず行動療法を4週間程度行います。具体的には、夕食を就寝2-3時間前に済ませる、水分塩分糖分の摂取に気をつける、就寝前の排尿週間など、規則正しい生活をすることで夜尿を減らしていきます。以前は「排尿がまん訓練」が提唱されていましたが、現在のガイドラインでは推奨されていません。
これらの行動療法を4週間行っても良くならない場合、特に夜間多尿がある時は薬物療法に移行します。

夜間多尿の定義は、「おむつ尿量+起床時尿量」が、「0.9×体重×睡眠時間」よりも多い、もしくは「期待膀胱容量(25×(年齢+2))ml」と比較して130%以上とされています。

デスモプレシンは、夜尿症の薬物治療において国内外で第一選択として使用されている薬です。デスモプレシンは剤形と保険適応症がいくつかあります。用量は、適切なモニタリングを行い、有効と考えられる場合は増量することがあります。
行動療法を実施し、デスモプレシンを投与、さらに増量して投与しても効果が見られない場合の原因としては、服薬コンプライアンスの低下、塩分摂取の増加、内服のタイミングなどが挙げられます。特に、内服タイミングについては、夕食直後の内服を避ける必要があります。
デスモプレシンを中止する時は、漸減していくことで再発率を低くすることが重要です。