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開業医の先生方における発達障がい児の治療 -Part4-


前多小児科クリニック 院長 前多 治雄 先生によるプレゼンテーションになります。

【目次】
00:14~ ADHDの薬物療法:グアンファジン(インチュニブ®︎)
01:58~ リスデキサンフェタミン(ビバンセ®︎)
03:04~ ASDの特徴と対応(1)
06:05~ 発達性強調運動障害(DCD; Development Coorination Disorder)
07:50~ ASDの特徴と対応(2)
08:52~ おわりに

【概要文】
ADHDの薬物療法で持ちられる薬物の一つがグアンファジンです。効果はアトモキセチンとメチルフェニデートの中間に位置します。
量を増やしていくことで傾眠傾向が見られると分かっているため、増量は2週間以上あけることが推奨されています。また、血圧低下や徐脈の副作用があるため、OD傾向の患児には使用しづらい面があります。
グアンファジンのメリットの一つは、メチルフェニデートとの併用で相乗効果が見られる点です。

ADHDの薬物療法で持ちられる薬物のもう一つがリスデキサンフェタミンです。少なくともメチルフェニデートと同等ないしそれ以上の効果がありますが、同様の副作用があります。
作用時間はおよそ13時間で「ゆっくり効いて、ゆっくり消える」という効き方であるため、薬物乱用のリスクは低いとされています。ただし、薬物動態が異なるために、メチルフェニデートに相当する投与量を正確に産出することが困難です。
1日30mgで投与を開始し、70mgを超えない範囲で増減します。1度に1ヶ月分しか処方できないことと、6歳未満、18歳以上の人には処方できないことが注意点です。

ASDの対応は、上杉鷹山の言うように「してみせて、真似させる」が原則です。また、「行間を読めない」という特徴に対しては、「曖昧な対応をせず婉曲な表現は避ける」という対応をします。「相手の気持ちを想像できない」という言動に対しては、「相手の気持ちを教える」ことをします。これについては「SST(Social Skill Training)」が有効です。
感覚過敏に対しては、五感のうちどの感覚が過敏なのか、その程度はどのくらいなのかを知って、それに応じた方策をとります。

発達性強調運動障害(DCD; Development Coorination Disorder)は、感覚の中でも前庭覚や固有覚の機能不全です。
不器用で、文字が下手、体育が苦手となります。このため、自己評価が低下し、劣等感が強くなる傾向にあります。しかし、マラソンや水泳などの一部の競技は積極的に参加することがあり、競技成績も良いことがあります。

ASDの特徴の一つにイライラやかんしゃく(易刺激性)がありますが、リスペリドンやアリピプラゾールなどの薬物を使用して緩和することが出来ます。

発達障害の子どもたちに早期治療介入することで、二次障害を防止してその子どもの可能性を歪めず伸ばすことが出来ます。
現状は発達障害を診療できる医療機関が少なく、速やかに必要な治療を受けれない子どもが多くいます。多くの医師に発達障害を理解し、診療に参入していただくことが重要と考えています。