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開業医の先生方における発達障がい児の治療 -Part2-


前多小児科クリニック 院長 前多 治雄 先生によるプレゼンテーションになります。

【目次】
00:18~ 自閉症スペクトラム(ASD)の診断基準A
01:50~ 自閉症スペクトラム(ASD)の診断基準B
03:38~ 自閉症スペクトラム(ASD)の診断基準C~E
04:19~ 初診時の情報収集
05:37~ 心理検査の種類と注意点

【概要文】
自閉症スペクトラム(ASD)の診断基準の一つに「複数の状況で社会的なコミュニケーションおよび相互製関係における持続的な欠陥」があります。
これはつまり「相手の気持ちが分からないから、社会的な関係やコミュニケーションを結ぶことが難しい」と言い換えられます。
また、診断基準Bの中では「常同的または反復的な運動」や「同一性への固執」、「感覚刺激に対する敏感さまたは鈍感さ」が挙げられています。
相手の気持ちを推し測ることが出来ない一方で、自分が分かるものには執着するため、単純な運動やおもちゃを並べたり物を叩いたりなどの行動を繰り返します。同一性への固執も、「自分が知っているものへの執着」だと言えます。
そしてASDの人の感覚の過敏性は、本人にとって非常に辛いものです。音や皮膚感覚の過敏は特に集団生活をする上で非常に大変なハードルとなります。逆に普通よりも鈍感な人もいます。
診断基準Cの中で「症状は必ず幼児期に出現する」とされています。ただし、車騎敵要求が能力の限界を上回るまでは全てが出現しないかもしれないし、学習段階で遮蔽されるかもしれない、ともされています。たとえば、聴覚の過敏性があっても自分で我慢できるようになれば当てはまらないことになります。

初診時は、成育歴の聞き取りを行い、通信簿・得点表、子どもが描いた絵や作文、紹介状・他機関で受けた知能心理検査の結果を持ってきてもらいます。特に成育歴は重要で、未熟児で生まれたり新生児期に仮死があると発達障害がある可能性が有意に上がるため、出生時から詳細に聞き取ります。

発達障害の治療に参入するネックの一つが心理検査でしょう。発達・知能検査は発達障害診療に必要不可欠です。
検査の種類は多くありますが、幼児期は「田中ビネー式知能検査V」と「wppsi-Ⅲ」、学童期は「WISC-Ⅳ」を行います。WISCは学校等で検査が可能なので、クリニックに臨床心理士がいない場合でも実施可能なことがあります。