九州大学大学大学院 医学研究院 神経内科学 教授 磯部 紀子 先生による「視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)の診断と診療 Part1」になります。
【目次】
00:35~ 視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)について
01:33~ NMOSDの特徴
03:50~ NMO/NMOSD従来治療の問題点
05:55~ 海外でのNMOSD治療の状況
07:31~ 免疫抑制薬の副作用
【概要】
NMOSDの特徴は、女性に多く発症し、高齢でも発症・再発することです。
症状としては、一側・両側性の視力障害が起こり、しばしば頭痛を伴います。その他、持続性の嘔気・嘔吐、吃逆も頻繁にみられます。
運動障害として、対麻痺、片麻痺、四肢麻痺、激しい頭痛を伴う感覚障害が起こることがあります。
また、脊髄障害によって、尿閉、排尿障害も伴うこともあります。
MRIの特徴としては、視交叉に近い部分を含むように病変が分布し、脊髄横断性の病変が生じ、3椎体以上の長大病変や、最後野病変、視床下部の病変を呈します。
NMO/NMOSDの再発を予防するための治療には、比較的高用量のステロイドの使用が必要です。
長期使用に伴い、様々な副作用の問題が出てきます。そのため、ステロイドに依存しすぎない治療戦略が必要な状況でした。
しかし、海外ではすでにステロイドを使用しない方針となってきているようです。
免疫抑制剤を併用することで、従来よりもステロイドの減量は可能となってきました。
免疫抑制剤はステロイドよりは副作用の程度は少ないですが、副作用がないわけではないため、注意していかなくてはいけません。