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くも膜下出血の合併症とその治療


国立循環器病研究センター脳神経外科の片岡大治先生によるインタビューです。

【目次】
00:05~ くも膜下出血の合併症
02:05~ 術後の経過について

【概要】
くも膜下出血の合併症として特に注意が必要な合併症は、脳血管攣縮と水頭症の2つです。

脳血管攣縮は、脳血管が縮んで脳の血流が不足する病気です。脳血管の血流障害が生じることで意識の低下、手足の動きが悪くなる、言葉が話しにくくなるといった症状が生じる事もあります。
水頭症はさらに遅れて発症1か月後くらいに起こりますが、くも膜下腔というスペースを充満する血液によって、脳脊髄液という液体の循環が悪くなって起こる疾患です。
循環が悪くなると、具体的には脳の中心にある脳室という部分に脳脊髄液が過剰に貯留することになり、これによって歩行障害が発症する事が多いです。
放置しても改善はしないため、脳室と腹腔を細いチューブでつないで、たまった脳脊髄液を腹腔に流す、脳室-腹腔シャント術という治療法が必要となります。

軽度でも脳血管攣縮を起こしてしまうと、その経過を見て治療を行う必要があるため、通常発症後3週間、多くの場合は1か月以内位に退院できたら早い方と考えていいでしょう。
脳血管攣縮の治療が終わって1か月の時点で何らかの神経症状がみられる方の場合には、本格的なリハビリテーションが必要となります。