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結腸がんの診断・治療


東京女子医科大学 下部消化管外科の山口 茂樹先生のインタビューです。

【目次】
00:05~ 結腸がんの罹患状況
00:59~ 大腸がんの症状
01:42~ 検査~診断に至るまで
02:18~ 結腸がんの治療方針
03:05~ 大腸がんのリスク因子

【概要文】
結腸がんは日本では年間約10万人が結腸がんと診断され、そのうち3万6千人が亡くなっており、結腸がん、結腸に続く直腸がんともに5年生存率は約70% です。
早期に適切な治療を行えば治る方が多いがんであるため、検診での早期発見が重要です。

多くの大腸がん、特に早期大腸がんは無症状で経過することが多く、進行するまで自覚症状がないのが特徴です。
進行し腫瘍が大きくなると、下痢や便秘、便の詰まりを起こしたり、体表面からしこりとして触れたり、腫瘍から出血することで貧血などの症状が出現します。

便潜血検査では便中に血が混じっていないか調べ、高い割合で早期がんを発見することができます。
陽性となった場合は、早期治療に繋げ治癒を目指すために、怖がらずに大腸検査を受けることが大切だと先生はおっしゃっています。

結腸がんの検査・診断には、大腸内視鏡検査が第一に推奨されます。
肛門からカメラスコープを入れ、腸内のがんのしこりをすぐに発見できます。良性のポリープが見つかった場合は、同時に切除することも可能です。

病変が粘膜内および粘膜下層までにとどまっている早期がんであれば、内視鏡で切除し治療を完了できる場合も多くあります。
一方腸壁に大きく浸潤した進行がんは、内視鏡では切除することができないため手術で外科的に切除する方針となります。
現在の結腸がんの手術はお腹にいくつか小さな穴をあけ、そこから細いカメラや手術器具を入れて腫瘍を切除する腹腔鏡手術という方法が主流です。
開腹手術に比べ侵襲が小さいため、術後の疼痛が少なく、回復が早いという点でメリットのある手術法です。

リスク因子として、以下のようなものがあげられます。
遺伝性、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病など)、過度な飲酒、喫煙、運動不足、肥満、糖尿病
遺伝性因子は検査によって調べることが可能です。血縁者に大腸がん罹患者が多数いる場合には若いうちから大腸がん検診を受けることが大切です。