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表在咽頭がんpart2~表在咽頭がんの治療法:内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)とは?~


咽頭がんは部位や広がりによって治療法が異なります。
近年、治療技術が進歩し、早期の状態であれば侵襲の少ない内視鏡手術が可能になりました。
今回は、表在咽頭がんの内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)について、虎ノ門病院分院消化管センター内科 特任部長、消化器と診断・治療内視鏡クリニック 院長の菊池 大輔先生に解説いただきました。

【目次】
00:05~ 表在咽頭がんの診断基準
00:36~ 内視鏡治療の適用
01:30~ 内視鏡治療(ESD)のメリット
02:05~ ESD の偶発症とその対策

【概要】

表在咽頭がんの内視鏡治療は全身麻酔下で行われ、適応には組織学的な裏付けが重要です。
扁平上皮がんまたは高度異形上皮が確認された場合、内視鏡治療の対象となります。
適応基準は主に2つあり、がんの広がりが上皮内または上皮下組織への浸潤が1,000μm未満であることと、リンパ節転移がないことです。

近年、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が主流となっています。
ESDは拡大内視鏡診断やヨード散布により腫獰の広がりを正確に診断でき、繊細な操作で神経や血管を避けながら腫瘍部分のみを切除できます。
ESDの主な偶発症には穿孔、出血、皮下気腫がありますが、咽頭の解剖学的特徴により穿孔のリスクは低いです。
しかし、麻酔用チューブ抜去時の出血には注意が必要で、誤嚥や窒息のリスクがあります。
特に重要な点は、咽頭の高次機能(嚥下、発声、呼吸)への影響です。
治療選択時には、がんの根治と機能温存の両立を考慮することが不可欠です。このため、治療方針の決定には慎重な検討が必要となります。