がん研究会有明病院 放射線治療部 副医長 田口 千藏先生による「直腸がん放射線治療の最前線」のプレゼンテーションです。
【目次】
0:18~直腸癌に対する放射線治療の現状について
1:37~がん研究会有明病院における放射線治療の実際
7:44~2019年版大腸がん治療ガイドラインについて
8:47~がん研究会有明病院の新たな取り組み
【概要文】
直腸癌に対する放射線治療は、下部進行直腸癌が対象となります。
局所制御率の向上に寄与するとされている下部進行直腸癌の術前放射線治療は、欧米では標準治療となっていますが、日本では未確立な状態です。
従来の大腸がん治療ガイドラインでは、直腸がんに対する術前放射線治療については、推奨度が示されていませんでした。
しかし、2019年版大腸癌治療ガイドラインでは、R0切除可能な直腸癌で、局所再発リスクが低い場合には、術前化学放射線療法を行うことを弱く推奨すると記載されました。
今後、直腸がんの術前放射線療法が役割を増していくことが期待されています。
がん研究会有明病院では、以下の症例に対し、術前照射を行っています。
・局所進行下部直腸癌または下部直腸に浸潤のある進行直腸癌
・StageⅣで、遠隔転移巣が切除可能な下部直腸癌または下部直腸に浸潤のある進行直腸癌
治療成績は、5年局所再発率3.5%と良好な成績が得られました。
しかし、遠隔転移を起こす症例があるため、無再発生存率や全生存率については数値が下がる傾向にあります。
現在、がん研究会有明病院では、強度変調放射線治療を直腸がんの術前照射に応用させる取り組みを進めています。
これにより、放射線治療の有害事象発生リスクを軽減と治療成績の向上が期待できるかもしれません。
【目次】
0:18~直腸癌に対する放射線治療の現状について
1:37~がん研究会有明病院における放射線治療の実際
7:44~2019年版大腸がん治療ガイドラインについて
8:47~がん研究会有明病院の新たな取り組み
【概要文】
直腸癌に対する放射線治療は、下部進行直腸癌が対象となります。
局所制御率の向上に寄与するとされている下部進行直腸癌の術前放射線治療は、欧米では標準治療となっていますが、日本では未確立な状態です。
従来の大腸がん治療ガイドラインでは、直腸がんに対する術前放射線治療については、推奨度が示されていませんでした。
しかし、2019年版大腸癌治療ガイドラインでは、R0切除可能な直腸癌で、局所再発リスクが低い場合には、術前化学放射線療法を行うことを弱く推奨すると記載されました。
今後、直腸がんの術前放射線療法が役割を増していくことが期待されています。
がん研究会有明病院では、以下の症例に対し、術前照射を行っています。
・局所進行下部直腸癌または下部直腸に浸潤のある進行直腸癌
・StageⅣで、遠隔転移巣が切除可能な下部直腸癌または下部直腸に浸潤のある進行直腸癌
治療成績は、5年局所再発率3.5%と良好な成績が得られました。
しかし、遠隔転移を起こす症例があるため、無再発生存率や全生存率については数値が下がる傾向にあります。
現在、がん研究会有明病院では、強度変調放射線治療を直腸がんの術前照射に応用させる取り組みを進めています。
これにより、放射線治療の有害事象発生リスクを軽減と治療成績の向上が期待できるかもしれません。