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膀胱癌の外科的アプローチ


【目次】
0:12~膀胱がんについて
5:12~膀胱がんの病気分類と治療方針について
7:30~経尿道的膀胱腫瘍切除術について
8:13~根治的膀胱全摘術について
9:07~尿路変向について
10:35~腹腔鏡による膀胱全摘術について
11:35~新膀胱造設について
12:57~膀胱全摘の手術件数について
14:23~膀胱がんの原因について

【概要文】
東京慈恵会医科大学付属柏病院 泌尿器科 診療部長 准教授 三木 淳先生による「膀胱癌の外科的アプローチ」のプレゼンテーションです。

膀胱がんの罹患率は10万人あたり16人程度で、男女比は3~4:1です。
リスク因子として喫煙や一部の化学物質が挙げられています。
一般的な症状は肉眼的血尿ですが、膀胱炎のような症状を呈するケースもあります。
症状が軽くても筋層浸潤がんや転移性がんである可能性があるため、早期の治療開始が重要です。


膀胱がんはTNM分類により病期を分類します。
ステージⅠまでの場合、多くは、膀胱鏡を用いる経尿道的膀胱腫瘍切除術の適応になります。
侵襲性が低く手術時間が1~2時間程度で済むため、全国的に普及している手術法です。

一方、根治的膀胱全摘術は次のような症例に適応になります。
・ステージⅡ以降の症例
・非筋層浸潤性でも悪性度が非常に高い症例
・再発を繰り返す症例
・BCG膀胱内注入治療に反応しない上皮内がん
・経尿道的膀胱腫瘍切除術で浸潤性がんと判断された症例

膀胱全摘術は①膀胱摘出、②リンパ節郭清、③尿路変向の3部構成になるため、手術時間が長くなり、合併症が起こりやすいのが欠点です。

尿路変向では、ストーマを設置する尿管皮膚瘻増設術・回腸導管法と、ストーマを設置しない代用膀胱(新膀胱)という3つの方法があります。
最も一般的なのは回腸導管法ですが、三木先生らはQOLの観点から代用膀胱の方法を積極的に行っています。
しかし代用膀胱は次のような欠点があるため、患者に十分に説明し、同意が得られてから実施することが重要です。
・実施していない施設がある
・適応できる症例が限られる
・手術時間が長くなる傾向がある
・術後のリハビリが必要(術後すぐは尿意を感じない、括約筋がないため失禁がおこる)
・定期的な排尿が必要
・長期予後が良くない患者もいる

新膀胱についてはあまりなじみのない先生方も多いのではないでしょうか。
動画では腹腔鏡手術での膀胱全摘術の流れや新膀胱増設の方法についてわかりやすく解説していただいております。
ぜひご覧ください。