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心不全に対するペースメーカ治療 ”CRT" -Part2-


日本大学医学部附属板橋病院 循環器内科 診療教授 中井 俊子先生による「心不全に対するペースメーカー治療 ”CRT"」のプレゼンテーションのPart2です。

【目次】
0:11~症例提示1
2:34~症例提示2
4:08~心臓再同期療法(CRT)の合併症
5:39~伝導障害病の治療法
6:58~心不全の経過と治療

【概要文】
慢性心不全の治療は、薬物療法を中心に進められますが、病状が進行するに従い、心臓再同期療法(CRT)などの非薬物療法が必要になってきます。心臓再同期療法(CRT)は、心室内伝導障害(IVCD)を修正するために実施される治療法です。

今回のプレゼンテーションでは、心臓再同期療法(CRT)の原理や実際の治療法、有効性、適応、症例、合併症、心不全の経過と治療について解説していただきました。

2002年にMIRACLEで報告された論文では、心臓再同期療法(CRT)植え込み6か月後の観察で、6分間歩行、QOL、入院率、死亡率についてコントロール群に対し有効性が示されています。
さらにその後のさまざまな研究でも心臓再同期療法(CRT)の有効性が報告されました。

これらの報告をもとに、日本循環器学会・心不全学会合同急性・慢性心不全診療ガイドライン2017改訂版では、心臓再同期療法(CRT)の適応が細かく設定されています。
プレゼンテーションでは表でわかりやすくまとめていただきましたので、ぜひご覧ください。

一方で、心臓再同期療法(CRT)にも合併症が報告されています。その1つが、心外膜側に留置したLVリードによって横隔神経を刺激してしまう横隔神経刺激(PNS)です。
この合併症を避けるためには、ペーシング極性を変更したり、リード位置を変更したりすることが有用です。

心不全の治療の目的は、生命予後だけでなくQOLの向上を目指すことだと中井先生はおっしゃいます。
心臓再同期療法(CRT)の早期導入により、これらの目的を達成しやすくなるといいます。

Part2では、中井先生が実際にご経験された症例2例と、合併症、心不全の経過と治療について解説していただきました。
心臓再同期療法(CRT)は、wide ORS症例において、β遮断薬と同じくらい重要な治療法だと中井先生はおっしゃいます。
今回示していただいた症例からも、心臓再同期療法(CRT)の有効性を実感していただけると思います。
ぜひご覧ください。