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膵癌に対する重粒子線治療 Part1


神奈川県立がんセンター 腫瘍内科 鎌田 正 先生によるプレゼンテーションPart1になります。

【目次】
00:41~ 膵癌の5年生存率
01:57~ 膵癌の治療と重粒子線治療の適応
04:06~ 膵癌治療における多剤併用化学療法+放射線治療の成績
04:57~ 膵癌放射線治療の問題点

【概要文】
現在、膵癌の部位別5年相対生存率は7%、年間の死亡者数は3.5万人程度で、がん死亡の4位(2018年)です。
膵癌の治療において、発見時点で切除可能と診断されるのは2割程度で、ほとんどのケースは手術が不可能な状態で発見されます。

このような状況の中で、重粒子線治療の適応となるのは、局所進行膵癌(非転移例)や切除可能境界例、その他医学的理由(高齢等)で切除非適応となった例です。
近年これらの症例に対して、重粒子線治療と合わせて抗癌剤化学療法を行うのが一般的となっています。
通常の放射線と比較すると、重粒子線は線量を集中させることができるため、抗癌剤との併用が容易です。
特に、上腹部への放射線治療は患者負担が大きい治療ですが、重粒子線の場合は全身への影響がほとんどなく、効果的に抗癌剤を併用することが可能です。

従来の放射線治療と多剤併用化学療法を合わせた治療では、2年生存率が2、3割と、膵癌は治癒に至るのが難しいがんと考えられていました。
膵癌における放射線治療の問題点の一つとして、放射線抵抗性腫瘍である膵癌の周囲に放射線感受性の高い臓器である消化管が近接しているという点が挙げられます。このため、治療目的の達成と副作用のバランスを見極めるのが非常に難しいと言えます。 もう一つの問題点として、遠隔転移のリスクが高いということが挙げられます。ただし、局所関連死も少なくありません。