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膵癌に対する重粒子線治療 Part2


神奈川県立がんセンター 腫瘍内科 鎌田 正 先生によるプレゼンテーションPart1になります。

【目次】
00:12~ 重粒子線治療の特徴
01:42~ 局所進行膵癌重粒子線治療の治療成績
03:12~ 症例:切除不能局所進行膵癌
05:34~ 局所進行膵癌の重粒子線、全生存率
06:24~ まとめ

【概要文】
重粒子線は「線量を集中できる」という特徴があります。この特徴によって、周囲重要臓器への線量を低減することが可能で、局所に集中した治療が可能となっています。また、通常のX線や陽子線の数倍の強い生物効果を持つため、治療効果が高くなっています。

QST(旧放医研)の局所進行膵癌重粒子線治療の治療成績を見ると、2年全生存率が少しずつ増加しており、最終的に重粒子線とGEMを合わせた治療方法で、2年全生存率53%という結果が出ています。

紹介した症例は切除不能局所進行膵癌ですが、非常に高い線量を局所に集中して照射したケースで、6ヶ月後の経過では活動性の高い部分はほとんど消えており、成績は非常に良好でした。
この後、切除術を実施したところ、膵癌そのものが消えていたということが確認されました。組織学的にも重粒子線治療の効果が高いことが分かる症例です。

先進医療で重粒子線治療を行った症例のうち、2年生存率は55%、3年生存率は31%、4年生存は21%という結果が報告されています。その中には長期生存、治癒に至るケースもあります。

膵癌は診断確定時に切除適応可能な症例は20%程度で、5年生存率は10%以下と最も予後不良ながんと言われています。
しかし、遠隔転移のない局所進行切除不能膵癌においては、化学療法同時併用重粒子線治療(先進医療)により、50%を超える2年生存率を得ることができています。
医学敵理由によって切除が困難な膵癌の症例については、重粒子線は適応の良い治療法と言えます。