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がんゲノム医療 Part1


神奈川県立がんセンター 廣島 幸彦 先生によるプレゼンテーションPart1になります。

【目次】
00:21~ 「がん」はゲノム異常の病気である
02:08~ 抗がん剤の種類
02:33~ 遺伝子パネル検査の適応
04:11~ 候補薬剤の使用について
06:30~ 遺伝子パネル検査の種類と費用

【概要文】
「がん」はゲノム異常によって起こる疾患であることが分かっています。
ゲノムとは遺伝子のことであり、人体の設計図となります。この設計図には長く生きることで傷ができますが、傷が蓄積されると、形成される細胞に異常が現れます。
それが「がん」の性質を持つことになります。
遺伝子の異常を変異と言いますが、「変異を見つけてそこから形成される異常なタンパク質を抑制するような薬を使えば、がんを治療することが出来るのではないか」というのが、がんゲノム医療の発想です。
このようなことが出来る抗がん剤が、分子標的薬(免疫チェックポイント阻害剤)と呼ばれる薬です。

遺伝子パネル検査の適応は、どの分子標的薬を使うのが良いのかを探る目的で実施され、適応は根治切除不能のがんに限られます。遺伝子変異の検出は確立されてきていますが、その変異と紐づく分子標的薬が必ず効くかということについてはまだまだ課題が残されています。
効果の程度としては、標準治療を超えるものではない、と考えられています。
遺伝子パネル検査で治療薬剤に到達できる確率は10~15%程度と言われており、まだまだ発展途上の治療です。保険適応外疾患に使用する場合は自費診療となりますが、中規模・大規模病院での適応外使用の実施は少ないのが現状です。
つまり、検査を受けても近隣の病院で治療を受けられる可能性は低い状態です。

遺伝子パネル検査には2種類あり、NCCオンコパネルとFoundationOne があります。いずれも金額は同じで、高額療養制度が利用可能です。
2つの違いは、調べる遺伝子の数、国内で検査するかどうか、採血があるかどうか、検査にかかる期間などです。