眼科系疾患
聖マリアンナ医科大学 緑内障外来 ~緑内障治療,総論編~

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【目次】
00:16~ イントロ
00:26~ 緑内障診療ガイドライン
01:20~ 緑内障薬物治療
04:36~ 緑内障レーザー治療
06:40~ 1st line SLTのランダム化比較試験
07:53~ 緑内障手術治療
09:24~ 濾過手術(線維柱帯切除術)のビデオ供覧
10:33~ 流出路再建術(線維柱帯切開術)のビデオ供覧
11:59~ 低侵襲緑内障手術(マイクロフックを用いた線維柱帯切開術)のビデオ供覧

緑内障診療ガイドラインの第4章「治療総論」には、緑内障治療における6つの原則が記されています。これをまとめると、【治療の目的は患者の「視覚の質(QOV)」と「生活の質(QOL)」の維持であり、そのために最も確実な方法が眼圧降下で、薬物・レーザー・手術の中なから治療法を選択する】と要約されます。

治療の原則の中にあるように、眼圧降下を狙って薬物治療を選択する場合、「必要最小限の薬剤で最大の効果が得られるようにする」とされています。
まず単剤でスタート、効果が低くなれば単剤から別の単剤へ切り替え、さらに変更する場合は別の薬剤を追加して2剤併用とし、さらに変更する必要があれば2剤のうちどちらかを変更します。緑内障の薬物治療で用いられる点眼剤には、様々な作用機序の薬剤がありますが、この中から患者個別に適切な薬剤を選択します。
多くの場合で第一選択に選ばれる薬剤は、プロスタグランジン関連薬です。これは、現在4種類存在します。これら以外に、従来のプロスタグランジン関連薬の副作用が生じにくい薬剤として「オミデネパグイソプロピル」があります。
目標眼圧を達成させることは重要ですが、雪だるま式に処方薬が増えてしまうことがあります。これを防ぐ一つの策が「緑内障配合点眼薬」です。これを用いることで、点眼薬数、点眼回数が減り、アドヒアランス向上・副作用軽減につながります。

緑内障治療の原則の中には、「3剤以上の薬剤を眼圧コントロールに用いる時は、レーザー治療など他の選択肢を考慮する」とあります。
レーザー治療には5つありますが、今回は「レーザー線維柱帯形成術」について紹介します。
これは、レーザーを線維柱帯に照射し房水流出率を改善する治療です。聖マリアンナ医科大学では、特に「選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)」を積極的に行っています。
SLTでは、「色素をもった線維柱帯細胞のみ」を選択的に破壊します。他の構造に影響を及ぼさないため、極めて低侵襲なレーザー治療です。
近年、点眼コンプライアンスや点眼治療の副作用の懸念が無くなることから、まず始めにSLTを施行する「1st line SLT」が注目されています。

ガイドラインにおける緑内障観血的治療の適応は、他の治療で十分な眼圧降下が得られない(もしくは得られないと考えられる)症例です。
手術方法は4つに分けられますが、そのうち「濾過手術」と「房水流出路再建術」がよく施行されます。
濾過手術はハイリスク・ハイリターン(侵襲あり)、流出路再建術はローリスク・ローリターン(やや侵襲あり)であり、一長一短です。
より侵襲の少ない緑内障手術は、結膜・強膜を切開せず、MMCを使用しない手術ですが、これを「低侵襲緑内障手術; MIGS(Minimaly Invasive Glaucoma Surgery)」といい、聖マリアンナ医科大学でも多く実施しています。
講演では、濾過手術(線維柱帯切除術)と流出路再建術(線維柱帯切開術)、MIGS(マイクロフックを用いた線維柱帯切開術)のビデオを供覧しています。
たくさんの術式がありますが、その人の緑内障病型にあった術式を選択することが重要です。