この動画を視聴するにはログインが必要です。

精神疾患合併妊娠の留意点 -Part1-


東京医科歯科大学病院 産婦人科 教授 宮坂 尚幸先生によるプレゼンテーションPart1になります。

【目次】
0:29- 講演概要
1:14- 精神疾患合併妊娠の動向
2:01- なぜ精神疾患合併妊娠が増えているか
2:30- 精神疾患を有する総患者数の推移
2:51- 入院治療から外来完結型治療への移行
3:29- 排卵に影響しない新規薬剤の増加
4:06- 精神疾患合併妊娠のリスク
4:22- 精神疾患が妊娠へ及ぼす影響
5:11- 妊婦のうつ、不安が児の発達に及ぼす影響
6:45- 妊娠が精神疾患へ及ぼす影響
7:44- 周産期の自死
8:57- 自殺の時期

【概要】
精神疾患合併妊娠は近年増加傾向にあり、同院ではうつ病、次いでパニック障害、統合失調症の順に多くなっています。精神疾患の有病者自体が増加傾向であり、特に女性の比率が多いうつ病が増えたため、精神疾患合併妊娠が増加していると考えられます。
精神疾患の早期受診、心理・社会的支援の普及、外来完結型治療への移行により妊娠機会が増えてきた事、生殖機能に影響しない新規薬剤が増加した事等が、精神疾患合併妊娠が増えた要因とされています。
精神疾患合併が妊娠へ及ぼす影響としては、流早産、胎児発育不全、妊娠糖尿病等周産期合併症の増加があげられますが、それらは不適切な生活習慣や薬物療法による間接的なものであり、精神疾患自体の影響は少ないとする意見もあります。
妊娠による精神疾患への影響として、周産期は短時間に内分泌環境、体組成、社会環境が大きく変化するため、精神状態の変動を来しやすい背景にあり、さらに薬物血中濃度の不安定化や、胎児への影響を懸念してアドヒアランスが低下することで病状が悪化するリスクがあります。また、周産期は自殺リスクも高く、うつ病や統合失調症合併、予期せぬ妊娠や産後鬱が関連するとされています。