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精神疾患合併妊娠の留意点 -Part3-


東京医科歯科大学病院 産婦人科 教授 宮坂 尚幸先生によるプレゼンテーションPart3になります。

【目次】
0:25- プレコンセプションケア
1:28- Shared Decision Making
2:37- 精神疾患を有する女性の妊娠に向けた6原則
4:49- 周産期における精神疾患のスクリーニング
5:33- エジンバラ産後うつ病自己評価票(EPDS)
6:54- 包括的二項目質問票
7:47- 多職種連携の構築
7:58- 日本における医療提供体制の課題
8:46- 精神疾患合併妊娠管理と医療行政
9:47- 周産期メンタルヘルス医療向上に必要な事

【概要文】
精神疾患合併妊娠ではプレコンセプションケアが重要となります。
薬物療法中の妊娠では、治療薬による児への影響等のデメリットと、服薬中止に伴う現病の悪化や産後の育児困難などのデメリットを比較して考える必要があり、患者の個別性を考慮しながら、十分な情報提供と双方向性に治療方針を決定するshared decision making(SDM)が重要です。
精神疾患合併妊娠では、
①必要に応じた薬剤変更
②最低妊娠3か月前までに病状が安定している
③より多くのエビデンスがある薬剤を使用する
④薬剤使用は種類・容量を最小限に抑える
⑤多職種での集学的な周産期管理と基本姿勢としてSDMを大事にする
⑥患者・家族に支持的に対応する
といったことを原則としています。

日本の医療提供体制の課題として、精神科と産科の連携が不十分、不十分な経済困難妊婦へのサポート、医療者と行政との連携体制が不十分である事があげられます。
これらを解決するために
①妊娠前からのメンタルヘルスに精神科医がこれまで以上に積極的に参加する
②周産期メンタルヘルス専門医の養成
③周産期メンタルヘルスガイドラインの普及
④多職種の連携がしやすくネットワークの構築
という事が今後必要となってくると考えられます。