湘南鎌倉総合病院 免疫・アレルギーセンター センター長 谷口 正実先生によるプレゼンテーションです。
【目次】
01:17~ 結論:喘息・アレルギー患者におけるNSAIDsのリスクの少ない薬
01:43~ NSAIDsの副作用について
05:37~ NSAIDs不耐症の診断について
06:45~ アスピリン喘息の名称や各種NSAIDsの発作誘発率について
10:29~ 喘息患者に対する問診方法
14:00~ NSAIDsによる副反応の鑑別
15:52~ NSAIDs過敏喘息に対する医薬品
【概要】
NSAIDs使用患者では、消化性潰瘍や喘息発作など、消化器系や呼吸系において多くの副作用が存在します。使用者の中には単回での使用であったとしても過敏症や不耐症などの急性増悪を起こすリスクがあります。
急性増悪例では、呼吸困難を引き起こして重篤な大発作へと転化してしまうおそれもあるため、適正な処置対応を周知しておくことは非常に肝要です。
事前の問診でも発作誘発を回避することは可能だが、潜在しているケースもあり手段としては充分とは言えないでしょう。
年齢や過去のNSAIDs使用状況によっても治療の選択肢は異なり、過去に使用例があるからといって過信は禁物です。
診断のゴールドスタンダードとしては、内服負荷試験が最も有効であるといわれています。
また、一般にアスピリンやボルタレンなどのCOX-1阻害作用の強いNSAIDsほど、発作誘発率が高い傾向にあるため、COX-1選択性の低いNSAIDsやカロナールが安全性の高い選択肢となりえます。
臨床現場で問題となりやすいNSAIDs不耐症の病態、喘息患者やその疑いのある患者における安全なNSAIDsの処方について、谷口医師に解説していただきました。