前回の記事では、骨粗鬆症がどのような病気なのか、その症状や罹患率、生活に及ぼす影響についてご紹介しました。
引き続き、独立行政法人労働者健康安全機構 山陰労災病院院長 萩野浩先生から、骨粗鬆症の検査・診断・治療などについて、詳しいお話を伺っていきます。
【目次】
0:05~ 骨粗鬆症で骨折しやすい部位
1:20~ 骨粗鬆症の検査・診断
2:48~ 骨粗鬆症の治療法
3:43~ 内服薬服用にあたっての注意事項
【概要】
骨粗鬆症では軽い転倒程度で骨折しやすくなってしまうという特徴があり、主に背骨、腕の付け根、手首、股関節の4部位で骨折が生じやすい。特に大腿骨近位部骨折は「骨卒中」と呼ばれ、生命予後に大きく影響する。
診断には骨密度測定が重要で、DXA法や超音波法が一般的に用いられる。
骨粗鬆症の発症メカニズムは、破骨細胞と骨芽細胞のバランス崩壊によるものである。閉経、運動不足、寝たきり、加齢などの要因により、破骨細胞の活性が骨芽細胞の活性を上回り、骨量が減少する。
治療法は主に2種類あり、破骨細胞抑制薬と骨形成促進薬が用いられる。患者の年齢、骨密度、腎機能、肝機能に応じて適切な薬剤を選択する。
治療効果の発現には時間を要し、最低でも数年間の継続が必要である。