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松尾 仁司先生:冠血流予備量比の概念と有用性/松尾仁司先生(岐阜ハートセンター)

岐阜ハートセンター 循環器内科 院長 松尾仁司先生による「冠血流予備量比の概念と有用性」のプレゼンテーションです。


【目次】
0:26~ FFRの概念
15:08~ 症例提示1
19:47~ 症例提示2
22:11~ 血管造影とFFRの結果が乖離した場合の解釈について(FAME Trialについて)
25:54~ 症例提示3
29:17~ FFRを行うことで可能になる治療戦略について


冠血流予備量比FFRは心筋虚血の指標として用いられる概念です。冠動脈の狭窄部位を中心に、遠位部と近位部の冠動脈圧を測定し、次の計算式に当てはめて求めます。

FFR=冠動脈圧(遠位部)Pd/冠動脈圧(近位部)Pa

1.0     正常
0.75~0.8  グレーゾーン
<0.75    有意狭窄(心筋梗塞を引き起こすとされている)
※0.8以上であれば高確率で心筋虚血は起こらない狭窄とされる。

冠動脈に狭窄があったとしても、その部位に虚血が起きていなければ、死亡・心筋梗塞の発生確率は年間1.0%未満であることが知られています。
一方、虚血のある狭窄を治療せず放置しておくと、心事故の発生率は年間5-10%とされていますが、冠動脈ステント治療PCIを行うことで発生率は2-3%に減少するというデータが示されています。
つまり、虚血のある狭窄に対してのみPCIを行うことが、患者様の予後を改善し、治療成績を向上させることに繋がるのです。


FFRの利点は、虚血を起こす狭窄であるかどうかの鑑別か容易であるという点です。
血管造影ではグレーゾーンが40~80%と広く指定されているため、虚血を起こしているかの鑑別が困難です。一方、FFRではグレーゾーンが0.75~0.8という極めて狭い範囲となっているため、その鑑別が容易となります。

また、血管造影で把握できる狭窄度(解剖学的狭窄度)とFFRでわかる狭窄度(生理学的狭窄度)は必ずしも一致しないことが知られています。
これは、側副血行の影響があるためです。


血管造影とFFRの結果が乖離した場合の解釈に関する研究に、FAME Trialがあります。
この研究では、FFRの結果に基づいて治療を行った方が、患者さんの予後が良好になったという結果が得られました。
FAME Trialの詳細については動画にて松尾先生に解説していただきましたので、ぜひご覧ください。


FFRを行うことによる治療戦略の変更については、いくつかの報告がなされています。
血管造影で治療戦略を決定した後、FFRで再度治療戦略を検討すると、治療方針が変更になるケースが多く認められるとのことです。


動画では、実際の症例を示しながらFFRの有用性について示していただきました。
FFRの測定により、治療方針や患者さんの予後が大きく変わる可能性があります。

今回の動画が日常診療にFFRを組み込む際の一助になれば幸いです。
是非ご覧ください。

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