知っておきたい!日常診療での頭痛診断と治療の手引き Part1

動画が正常に表示されない場合、推奨環境をご確認ください。

【目次】
00:18~ 一次性頭痛、二次性頭痛の違い
02:35~ 見逃してはいけない二次性頭痛
04:29~ 片頭痛の診断
11:43~ 閃輝暗点について
12:48~ わかりやすい片頭痛と見逃しやすい片頭痛
13:16~ 片頭痛の概念の拡大

頭痛には「症状としての頭痛(症候性頭痛、二次性頭痛)」と「疾患名としての頭痛症(慢性一次性頭痛)」があります。
症候性頭痛には、発熱時、髄膜炎、頭蓋内圧亢進、くも膜下出血などの症状として現れるものがあります。慢性一次性頭痛には、片頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛などがあります。
一次性頭痛と二次性頭痛を鑑別するポイントとしては、「突然の頭痛」「今まで経験したことのない頭痛」「神経脱落症状を有する頭痛」などが挙げられており、これらのポイントが当てはまる頭痛は、二次性頭痛を疑って、積極的な検索が必要とされています。
診断の際の臨床的手がかりとして「SNOOP」があります。
S: Systemic symptoms, Systemic disease (全身性の症状、疾患)
N: Neurologic symptoms or signs (神経学敵症状や徴候)
O: Onset sudden (突然の発症)
O: Onset after age (40歳以降の発症)
P: Pattern change(パターンの変化)
他に「Diagnostic Alarms」も、診断の際に用いられます。

見逃してはいけない二次性頭痛にはいくつかあります。
救急室においては、くも膜下出血、髄膜炎、脳炎、緑内障、脳神経内科の外来においては、帯状疱疹、椎骨動脈解離、側頭動脈炎、慢性硬膜下血腫があります。
さらに、頭痛外来においては、脳静脈血栓症、RCVS、副鼻腔炎、低髄液圧性頭痛があります。特に脳静脈血栓症は通常のMRIではかなり注意して見なければ見落とす可能性があります。

片頭痛は非常に人類にとって「burden(負荷)」になっている、と世界中で言われています。疾病による日常生活の支障の重症度のランク付けの中でも、支障度が極めて高いのが重症の片頭痛です。
頭痛診療のコアとなるのは、「国際頭痛分類」「慢性頭痛の診療ガイドライン2013」「頭痛ダイアリー」です。
一次性頭痛の診断のポイントとしては、「片頭痛を正しく診断する」「片頭痛か緊張型頭痛か」「群発頭痛や三叉神経自律神経性頭痛は頭痛センター、専門外来へ紹介」が挙げられます。

片頭痛の分類にはいくつかあります。また、片頭痛発作の症状と経過については、Blauによるシェーマで、病期に合わせて分かりやすく示されています。
片頭痛の診断基準は、頭痛の分類ごとに、いくつかの項目が設けられており、発作の回数や持続時間、頭痛そのものの症状の特徴、前兆の有無などを確認する必要があります。

閃輝暗点は片頭痛の前兆として現れやすい視覚の異常ですが、fMRIによってその異常が実際に生じていることが確認されており、閃輝暗点の本態は、皮質拡延性抑制であることが分かっています。

前兆のないケースや症状が肩こりだけの片頭痛、両側性、非拍動性の片頭痛は、緊張型頭痛などと見做されて、しばしば見逃されています。
閃輝暗点のない片頭痛や、両側性頭痛も片頭痛である可能性はあります。
症候群としての片頭痛の本質としては、「Disability(動作による悪化や生活の支障)」「悪心・嘔吐(消化器症状)」「過敏症状」が挙げられます。