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免疫チェックポイント阻害剤の開発の歴史と適正使用


国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科 後藤 悌先生によるプレゼンテーションになります。

【目次】
0:21〜 免疫チェックポイント阻害薬の開発と肺がん治療
2:13〜 肺がんに有効性を示した症例紹介
3:44〜 免疫チェックポイント阻害薬が承認に至った研究
8:32〜 免疫チェックポイント阻害薬の副作用と適正使用

【概要】
免疫療法は、がん治療の3本柱である放射線治療・手術治療・化学療法に追加となる新しい治療法です。この治療には免疫チェックポイント阻害薬が使われます。アメリカの癌学会が提唱するほど高い有効性が認められている治療法です。肺がん治療の保険適用があります。
免疫療法は、2018年にノーベル賞を受賞しました。しかし開発は2010年からはじまり、2016年頃から免疫チェックポイント阻害薬が徐々に承認されています。現時点で、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、アデゾリズマブ、デュルバルマブの4製剤が発売されています。
作用機序は、T細胞の活性化にブレーキをかけるPD-1・PD-L1を阻害し、免疫機能を復活させることです。
この効果が発現した症例として、放射線治療で十分な効果がなかった肺がん患者にペンブロリズマブを1回投与しただけで効果を示したことを紹介しています。
また承認に至った開発の経緯は、ニボルマブとバクリタキセルの比較、ペンブロリズマブとPD-1・PD-L1の発現率との関係、アデゾリズマブとドセタキセルの比較、デュルバルマブと従来の治療法との比較など、優れている点が多いことが要因です。
このように効果の優れた免疫療法でも、化学療法と同じように副作用が発現します。下痢、皮疹、甲状腺などです。原因は免疫力の回復による正常細胞への悪影響です。このため免疫チェックポイント阻害薬の使用には適正使用が望まれます。