知っておきたい!日常診療での頭痛診断と治療の手引き Part2

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【目次】
00:12~ 片頭痛の治療薬・トリプタン
00:27~ トリプタン使用におけるポイント
01:21~ 片頭痛のメカニズムとトリプタンの作用機序
  02:48~ トリプタン使用のタイミング
03:54~ 高頻度片頭痛治療のジレンマ
04:40~ 予防療法が必要なケース
05:19~ 通常の片頭痛の予防療法の適応
06:13~ 片頭痛予防薬剤
06:56~ 群発頭痛について
08:56~ 群発頭痛の治療のポイント
09:58~ 群発頭痛のメカニズム

「トリプタン」は片頭痛の特異的な治療薬です。トリプタン使用のポイントには、「頭痛が始まったらなるべく早く、軽度のうちに使用を開始する」「前兆期・予兆期に使用しても効果は乏しい」など、いくつかの点が挙げられています。

片頭痛のメカニズムとトリプタンの作用機序をシェーマで解説しています。
三叉神経終末から分泌される物質によって神経原性炎症が起こり、血管が拡張、三叉神経を刺激して、「頭痛」として脳に伝わります。一部、逆行性に別の神経に刺激を伝えて、そこで神経原性炎症を生じることがあり、これが広がった時が「片頭痛発作」と解釈されます。
トリプタンは、血管壁の5-HT 1B受容体に作用し、拡張した血管を正常のサイズに収縮させ、さらに三叉神経にある5-HT 1D受容体に作用して、感作した神経を鎮静させます。
最近では、トリプタンが三叉神経背側核にある5-HT 1B/1D/1F受容体にも作用して、鎮静に働くことが分かっています。

トリプタンは早期服薬が推奨されている一方で、「服用は月に10日以内」が目安とされています。
月に10日以上頭痛が起こる患者さんの場合、いつ・どのタイミングでトリプタンを使用すればよいのでしょうか。このジレンマの対策として、「頭痛と服薬の記録をつけること(頭痛ダイアリー)」「予防薬を調整して、我慢せずに早期服薬しても10日/月以内になるようにコントロールする」などが挙げられています。

予防療法は、片頭痛発作が月に2回以上、あるいは6日以上ある患者に対して実施を検討することが推奨されています。
急性期治療のみでは、いくつかの条件に当てはまる場合に予防療法の実施が推奨されます。

通常、予防療法は、頭痛、片頭痛、服薬の日数(日/月)を考慮して、適応を判断します。片頭痛の予防薬には、カルシウム拮抗剤、β遮断薬、抗てんかん薬、抗うつ薬、ARBなどが用いられます。

群発頭痛は、三叉神経系第1枝の領域の激しい痛みと、同側の流涙や眼充血といった自律神経症状を伴うことが特徴とされています。群発頭痛とその類縁疾患をまとめて「三叉神経・自律神経頭痛(TACs)」と呼びます。群発頭痛は発作回数や症状によって、いくつか分類されています。

群発頭痛の治療のポイントとして、「患者教育」「頭痛発作時の治療」「頭痛期の予防療法」が挙げられます。頭痛発作時には酸素吸入を行う場合がありますが、平成30年より、群発頭痛の在宅酸素療法が保険適用承認されました。

群発頭痛のメカニズムは、まだ不明な部分が多くありますが、体内時計を司る部分に異常があり、副交感神経系が過敏になることで、発作時に激しい痛みと自律神経症状が起こると説明されています。