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骨粗鬆症の女性医学的アプローチ Part2


横浜市立大学付属市民総合医療センター 婦人科、よしかた産婦人科 院長 善方 裕美 先生によるプレゼンテーションになります。

【目次】
00:14~ 老年期における骨折防止のマネジメント
03:12~ 骨強度に重要なポイント(骨密度と骨質)
04:08~ 骨粗鬆症の病態メカニズム(他疾患との関わり)
05:21~ 骨粗鬆症の予防と治療

【概要文】
老年期においては、骨粗鬆症にならないように、というよりもその先の「骨折に至らないように」という点が重要になります。
加齢によって、身体機能低下から筋肉量の減少、閉じこもり、認知機能の低下が連鎖し、フレイル(虚弱)が悪循環してしまいます。運動、食事に気をつけて、コミュニティに参加することで、これを断ち切ることが重要となります。
高齢者の腰背部痛などを訴えて診察に来た人などには、骨粗鬆症を疑うことも大切です。

骨強度には骨密度と骨質が重要です。加齢や酸化ストレスによって、骨基質の変化から骨質の低下につながります。

骨粗鬆症の病態メカニズムの中では、CKD(慢性腎臓病)や糖尿病、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などと関係していることが指摘されています。これらの疾患はホルモン分泌・酸性に影響しているため、骨代謝にも影響してきます。
例えば、糖尿病の人では骨密度が正常でも骨粗鬆症のリスクがあると言われています。

エストロゲンの減少による骨粗鬆症を防ぐためには、「①最大骨量をしっかりと獲得すること」「②骨量維持の対策」「③閉経後の急激な骨量減少を防ぐ」ことがポイントとなります。

婦人科で骨粗鬆症の薬物治療を行う場合、年齢・ライフステージによって使う薬を変えていきます。
性成熟期では無月経が続くと良くないのでホルモン補充療法によってサポートすることは骨粗鬆症の予防になります。また、更年期の骨密度が低下する時期にホルモン療法をすることも治療の1つとなります。
ここで、OC(Oral Contraceptives:経口避妊薬)からEPT(Estrogen progestogen therapy : エストロゲン・黄体ホルモン併用療法)に切り替えるように、EPTからSERM(selective estrogen receptor modulator : 選択的エストロゲン受容体調節薬)へと切り替えることで、更年期症状が無くても、骨に対するサポートができます。

骨粗鬆症は、急になるものではありません。どの年代にも言えるのは、適切な運動、バランスの良い食事、良質な睡眠です。
骨粗鬆症を防ぐには、女性医学的なヘルスケアの中で年代に応じた、繰り返しの予防を講じることが大切です。