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taTMEを用いた直腸がん手術


日本医科大学付属病院 下部消化管外科 山田 岳史 先生に「taTMEを用いた直腸がん手術」について伺いました。

【目次】
00:05- 細胞レベルで完全切除を目指す取り組み
01:02- 直腸がんに対するtaTME(Transanal total mesorectal excision)手術
02:03- taTMEの治療実績
02:27- 閉塞性大腸がんに対する大腸ステントの有効性

【概要文】
日本医科大学付属病院では、低侵襲な完全治癒切除を目指した取り組みを行っています。
腫瘍細胞は109個あれば可視化できるとされていますが、目に見える範囲の腫瘍細胞が取れたとしても、身に見えない量の細胞が残ってしまうことで、1-2割の進行癌が再発します。
腫瘍細胞をできるだけ残さず完全に取り除くために、再発リスクが高いと判断すれば、予め化学療法あるいは放射線治療を行うことがあります。初診時にすでに閉塞しているような進行大腸がんに対しては、患者さんの負担を減らすという観点から、緊急手術やイレウス管挿入といった処置を行うのではなく、大腸ステントを留置しています。
手術に関しては腹腔鏡手術・ロボット手術といった低侵襲手術は全国的に行われていますが、直腸がん手術では特に手術時間が長くなる傾向にあります。直腸がんに対してはtaTME(Transanal total mesorectal excision)手術という肛門側・腹腔側から同時に行う手術方法を用いることで、小さな傷口で従来の開腹手術と変わりない時間で終えることができ、再発リスクを上げることもありません。
このように、患者さんへ侵襲の少ない診療を心がけ、また腫瘍を完全に取り除けるように日々研究を行なっています。