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分子標的治療薬を用いた化学療法


日本医科大学付属病院 下部消化管外科 山田 岳史 先生に「分子標的治療薬を用いた化学療法」について伺いました。

【目次】
00:04- 大腸ステント留置術
00:54- 分子標的治療薬を用いた化学療法

【概要文】
日本医科大学付属病院では大腸ステントによるデメリットについても検討しています。ステントの圧迫により腫瘍細胞を破壊しますが、壊れた細胞から出てくる物質が身体に悪影響を及ぼすのかについてリキッドバイオプシーという検査法を用いて研究しています。施設によっては、緊急手術やイレウス管挿入を行っていますが、それぞれの長所・短所をよく理解した上で患者さんに選択していただくことが重要です。
また、分子標的治療薬についてもリキッドバイオプシーで研究しています。がん細胞は徐々に分裂していきますが、その分裂スピードを速めるような原因となる遺伝子のことをドライバー遺伝子と呼びます。そのドライバー遺伝子の働きを抑えるのが分子標的治療薬とされており、大腸がん治療では抗E G F R抗体薬が該当します。一般的な抗がん剤に比べて副作用が少ないということが知られており、適応になる患者さんには分子標的治療薬を投与するのが良いとされています。しかし、がん細胞の不均一性により一部の患者には奏功しないことが問題となっています。この対策として、リキッドバイオプシーによる遺伝学的検査を行い、適した分子標的治療薬に切り替えていくことを積極的に行っています。