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リキットバイオプシーの現況と進展


日本医科大学付属病院 下部消化管外科 山田 岳史 先生に「リキットバイオプシーの現況と進展」について伺いました。

【目次】
00:04- リキッドバイオプシー
00:56- CTC(血液循環細胞)検査
02:30- ctDNA解析の進展

【概要文】
リキッドバイオプシーとは、血液の中に存在するがん由来のタンパク質、DNA、RNA、腫瘍細胞そのものを採取することを指します。その中でCTC(Circulating Tumor Cells)はがん由来の細胞を、ctDNA(Circulating Tumor DNA)ではがん由来のDNAを検出します。
今までリキッドバイオプシーは血液だけを使用していましたが、尿、胸水、腹水、気管の分泌液、涙の中にも同様にがん由来のDNAは存在することが分かってきました。
CTC検査の問題点は採取できる腫瘍細胞の数が足りないことです。サイズの違いやEpCAM抗体により腫瘍細胞を検出することは困難でしたが、今後、誘電泳動法やAIを用いた技術により、正常細胞と腫瘍細胞を分別することができる可能性があります。
またctDNA解析について、腫瘍細胞が分泌するエクソソームという細胞外小胞(EV)というものがあります。エクソソームはDNA分解酵素と接着しにくいので壊れにくい性質があり、DNAを採取するのに適していると考えられています。細胞外小胞の半減期は1時間程度ですので、術後2週間から4週間後に血液から腫瘍細胞のDNAを測定することで、身体に腫瘍細胞が残存していないかについて、今後予測できる可能性があります。