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遺伝性乳癌と当院での取り組み


横浜市立大学附属病院 乳腺・甲状腺外科 菅沼 伸康 先生によるプレゼンテーションになります。

【目次】
00:40~ 講義内容の説明
00:57~ がんの疫学
02:14~ 乳癌のリスクファクター
03:49~ 遺伝性腫瘍
04:55~ 遺伝性乳癌と原因遺伝子
05:19~ 遺伝性乳癌における遺伝子変異の頻度
05:45~ 遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)
06:38~ BRCA1 ,2の機能
08:08~ HBOCの特徴
10:10~ リスク低減手術
11:05~ HBOC乳癌の治療(薬物)
11:21~ PARP阻害剤
12:33~ HBOC未発症のマネージメント
13:06~ 遺伝性乳癌卵巣癌症候群の詳細 ガイドライン案内
13:29~ HBOCと保険適応
14:16~ 遺伝性乳癌卵巣癌症候群に係る検査の評価(BRCA1 /2遺伝学的)
15:35~ 遺伝性乳癌卵巣癌症候群に係る手術の評価(予防的手術)
16:12~ 保険診療上の問題点
16:57~ 同院での診療の流れ
18:07~ BRCA遺伝学的検査数
18:43~ 周術期BRCA検査の内訳
19:03~ 遺伝カンファランス

【概要】
乳がんは女性の罹患率第一位であり、他がん種が横ばいから低下傾向である中、一貫して増加傾向となっています。乳癌において、全体の約5%は遺伝因子の強い遺伝性乳癌であると考えられています。

遺伝性乳癌における遺伝子変異の頻度でもっとも多いのは、遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)の原因遺伝子、BRCA1,2の遺伝子変異であり、全体の約50%を占めています。
HBOCは、BRCA1,2遺伝子の生殖細胞系列の病的な変異が原因で、乳癌や卵巣癌を高リスクで発症する遺伝性腫瘍です。
動画では、BRCA1 ,2の働き、HBOCの確定診断の方法や、手術・薬物療法などの治療法、未発症の人へのマネージメント方法も説明いただいております。

遺伝性乳癌に対しての現在の保険適応に関しても、詳しくご説明いただきました。その内容は、年々改善はしてきているものの、「がん未発症の血縁者の遺伝学的検査」など、まだ保険診療上問題が残っている状態です。

同院では、これまで、BRCA遺伝学的検査を総計88例実施されています。同院で行われている診察の流れや陽性率、検査の内訳などを図式に示してわかりやすく説明いただいています。