東京女子医科大学 下部消化管外科の山口 茂樹先生のインタビューです。
【目次】
00:05~ 術後~退院に至るまで
01:25~ 再発時対応について
02:35~ 貴院の治療実績について
【概要文】
術後は感染症予防のために手術当日に抗生剤、その後も4日目くらいまで水分・電解質補充や薬剤投与経路確保のため点滴が投与されます。
出血や縫合不全の観察のために、術後に腹腔内にドレーンというチューブが挿入されることがありますが、これも術後4日前後には抜け、5日目にはすべての処置が終わり退院が可能になります。術後7日目には、約90%の方が退院されます。
以前山口先生が勤務されていた埼玉医科大学国際医療センターでは、症例数で全国上位に入る年間450例ほどの大腸切除を行い、在院日数も短く常に全国10位内に入る状況で管理されていました。
手術後の管理に慣れている施設では入院期間も短く、早期に社会生活に復帰できる傾向にあります。
大腸がんの10年生存率は、ステージⅠで93%、Ⅱで83%、Ⅲで69%というデータがあります。再発後も、適切な治療を行って治る方も多数いらっしゃいます。
抗がん剤治療も非常に有効なものが用いられるようになり、がんがすべて取り切れる方も珍しくなくなってきました。
健康的な生活に留意するだけではなく、定期的に検査を受けて早期発見・早期治療を受けられるようにしていきたいと先生はおっしゃっています。
山口先生が現在所属している東京女子医科大学病院では、大腸がん切除症例を年間150例、そのうち結腸がんを100例程行っています。
腹腔鏡手術はほとんどすべての症例で実施されており、ロボット手術の採用も行われています。
山口先生は、手術は術者個人の経験値が非常に大切であると話されています。手術にやり直しはききません。各術式に慣れた施設・医師による手術を受けていただくことがとても重要です。
現在はどの病院もセカンドオピニオンを行っており、それを拒否するような病院は一流の病院であるとは言えないため、しっかり考え情報収集を行ってから、手術を受ける病院を選択するようにしましょう。