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新型コロナウイルス感染症の後遺症外来 2023


岡山大学 学術研究院 医歯薬学域 総合内科学 教授 大塚 文男 先生によるプレゼンテーションです。

【目次】
00:33~ 講演内容
00:58~ 新型コロナ流行の波と主な変異株
02:01~ コロナ後遺症とは
03:23~ 岡山県におけるコロナ感染者数と後遺症紹介受診のタイミング
04:26~ コロナアフターケア外来の概要
05:45~ 症例提示
08:17~ 受診患者の性別
08:58~ 感染急性期の重症度
10:00~ 受診患者の紹介元
10:13~ 受診患者の年齢分布
11:46~ 県別受診患者数
11:59~ 後遺症の症状と人数
13:07~ 全身倦怠感をきたす病態
14:13~ 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)臨床診断基準
15:43~ ブレインフォグ
17:40~ 変異株と後遺症の症状
19:52~ コロナ後遺症 睡眠障害の特徴
21:23~ コロナ後遺症 頭痛
22:28~ 外来受診までの発症からの日数
23:20~ 症状別頻度(受診者)
24:00~ 専門科へのコンサルテーション
26:05~ 通院の状況
27:20~ 10代の患者における特徴
28:08~ 10代では頭痛が多い傾向
29:45~ 既存論文と診療データ
30:13~ 病態生理
31:50~ 発症のメカニズム
39:05~ 罹患後症状のマネジメント改訂
39:50~ 包括的アプローチ
40:51~ プライマリケアとコロナ後遺症
41:30~ コロナ後遺症の食事療法、低亜鉛血症
43:45~ 全処方の内訳
45:21~ 全国のコロナ後遺症外来の現状
45:35~ 都道府県別コロナ後遺症窓口
45:50~ コロナ後遺症診療の地域連携へ
51:31~ これからの課題

【概要】
岡山大学病院では、2021年2月15日から新型コロナウィルス後遺症外来を設置、その後継続して診療を行なわれています。
コロナ感染の後遺症の症状は、倦怠感、呼吸苦、認知機能障害、頭痛、脱毛などです。これらの症状出現の仕方はさまざまで個人差があります。
また、変異株の出現により、症状の傾向にも変化があります。コロナ感染の急性期に重症化することは、後遺症のリスクを高めます。
後遺症は、感染による心身の疲労や過剰な免疫応答、微小血栓やその他ウィルスの残存などが原因と考えられています。

後遺症外来では、患者さんにどういった症状があるのか、身体面のみでなく、心理、社会的側面から包括的な診察が必要です。
外来通院の経過でコロナ感染の後遺症よりも、治療の優先度の高い疾患がみつかることもあり、患者さんの症状の原因がどういったことから生じているのかを慎重に診察されています。
精神科や神経科などとの連携も重要とお話しされています。
後遺症外来には、コロナ感染に罹患後90日以降の受診が多く、治癒までは180日ほどの時間を要するようです。
他疾患との鑑別や早期の回復といった観点では、早めの受診は心がけるポイントになります。
コロナウイルスワクチンの副反応についても、だるさや頭痛その他の多彩な症状に対応するために、ワクチン副反応外来も開始されています。