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肝移植 Part2


長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 移植・消化器外科学 教授 江口 晋先生による「肝移植」のプレゼンテーションのPart2です。


【目次】
0:11~ 肝移植の実際の手技について
2:01~ 生体肝移植のグラフト選択について
5:32~  生体肝移植脈管吻合の手順(右葉グラフト)
6:25~ 肝静脈、門脈吻合の手技

【概要文】
肝臓は傷害を受けると、肝炎、肝硬変、肝細胞癌という流れで病気が進行していきます。
以前は進行した肝細胞癌や末期肝硬変の患者さんに行える治療法がほとんどありませんでした。
しかし最近は、肝細胞癌や末期肝硬変の患者さんに肝移植を行うことで、生存率の上昇、移植後の体調の改善が報告されています。

日本肝移植研究会による肝移植症例登録報告2014では、18歳未満の小児と18歳以上の成人では主な適応疾患が異なっていたと報告されました。
一方、肝移植の適応と思われながらも、医師から患者さんに肝移植の話を切り出すタイミングについて苦慮するケースもよく聞かれます。
江口先生は年齢による肝移植の適応疾患の違いや疾患ごとの望ましいタイミングを動画の中で解説してくださいました。


肝移植は脳死ドナーから提供を受ける脳死肝移植と、健康な血縁者または配偶者から提供を受ける生体肝移植があり、それぞれに利点・欠点があります。
この点についてもプレゼンテーションでわかりやすく解説していただいています。

生体肝移植では、一卵性双生児からの移植の場合を除き、免疫抑制剤による術後管理が必要です。
免疫抑制剤の増減により、拒絶リスクや感染症リスクが増減するため、最適なバランスを見極めての投薬を行わなけれないけません。


肝移植の手技については、次のような方法があります。現在、脳死肝移植ではPiggy back法が主流となっています。
・脳死肝移植:Piggy back法、コンベンショナル法
・生体肝移植:ドナーとレシピエントの同時進行手術

生体肝移植ではグラフトの選択も重要です。ドナーにとって最小限の負担で、かつ、レシピエントにとって十分量でなければなりません。
長崎大学では、グラフト選択基準のフローチャートを作成し、そのフローに則ってグラフトを選択しています。動画ではそのフローチャートも示していただきました。


生体肝移植の脈管吻合は、肝静脈、門脈、動脈、胆管の順で行います。

解剖学的にドナーの門脈に右門脈本管RPVがない場合、江口先生らは右門脈前枝RAPVと右門脈後枝RPPVを1つに吻合してから、レシピエントの門脈を吻合するという手順を踏んでいます。


Part2では肝移植の手技について解説していただきました。

グラフトの選択や、右門脈本管RPVがないドナーの移植など、肝移植に際してお悩みの先生方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような先生方にはきっと参考になるかと思います。

ぜひPart1とあわせてご覧ください。