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直腸がんの集学的治療とWatch and Waitの最新の動向


The UNIVERSITY OF TEXAS MD Anderson Cancer Center Department of Colon & Rectal Surgery, Division of Surgery 小西 毅先生による「直腸がんの集学的治療とWatch and Waitの最新の動向」のプレゼンテーションです。

【目次】
0:25~直腸癌に対する集学的治療の動向
4:28~直腸癌切除範囲の原則と課題
5:22~Watch & Waitの現状

【概要文】
直腸がん治療における標準治療は、集学的治療を一般的に行う欧米と、TMEと側方郭清を行う日本とで、アプローチが異なっています。
しかし、集学的治療と側方郭清を組み合わせることで、より良好な治療成績が得られる可能性があります。

小西先生らは、国際多施設共同研究を行い、集学的治療と側方郭清の併用方法について検証しました。
この検証では、側方リンパ節の腫大がなければ集学的治療で十分ですが、腫大の有る場合には、側方郭清が有効であるという結果が得られています。

一方、現在の集学的治療のデメリットの1つが、術後の補助療法を完遂できないケースが多いという点です。
そのため、最近では術前により重点をおいた集学的治療が注目されています。

腫瘍の切除範囲の決定では、術前療法で腫瘍が縮小した場合であっても、治療前に浸潤した範囲を切除することが原則でした。
しかし、切除後の病理検査では癌細胞が見られないケースがあること、直腸がん手術後のQOLが低下することなどから、Watch & Waitという考え方が広まりつつあります。

Watch & Waitでは「術前集学的治療で腫瘍消失と判定された場合には、手術をしなくても手術と同等の生存率が得られる」という考え方です。
Watch & Waitの経過観察中に局所で再発した場合でも、手術で切除することで治療が可能となります。

このように、直腸がん治療を取り巻く環境は、現在大きな変換期を迎えつつあります。
数年後には、現在と異なるアプローチでの治療が標準的になるかもしれません。
今後の診療の参考に、ぜひご覧ください。

※2019年5月公開
※前所属:がん研有明病院