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腹腔鏡内視鏡合同手術(LECS)の現状


日本医科大学病院 消化器内科 講師 後藤 修先生による「腹腔鏡内視鏡合同手術(LECS)の現状」のプレゼンテーションです。

【目次】
0:16~腹腔鏡内視鏡合同手術(LECS)について
3:35~潰瘍を有するGISTや胃癌における腹膜播種のリスクについて
4:45~Inverted LECSについて
5:31~CLEAN-NETについて
6:36~NEWSについて
9:48~リンパ節転移が疑われる早期胃がんの標準治療とSNNSについて
11:59~各手技の適応について

【概要文】
腹腔鏡下胃局所切除術は代表的な臓器温存・低侵襲手術として確立しています。
しかし内腔に発育している病変は腹腔鏡では確認しにくいのが欠点です。

この欠点を補うために生まれた術式が腹腔鏡内視鏡合同手術(Laparoscopic endoscopic cooperative surgery: LECS)です。
最初に行われたClassical LECSでは、内視鏡で病変周囲の粘膜を切開し、一部を穿孔させて全層を切除します。その後、腹腔鏡で縫合閉鎖をして手術は終了です。
Classical LECSは胃粘膜下腫瘍(GIST)が最もよい適応になります。

しかし、症例によってはGISTが潰瘍を有するケースがあります。
さらに胃癌の症例では、切除直後の胃洗浄細胞診で胃癌細胞が浮遊していることも報告されています。
このような症例でClassical LECSを行うと、腹膜播種の危険性が否定できません。


このような背景から、異なるアプローチが複数考案されています。
① Inverted LECS
胃の開放部を吊り上げてLECSを行い、病変を経口的に回収する。
② CLEAN-NET(combination of laparoscopic and endoscopic approaches to neoplasia with non-exposure technique)
腹腔鏡で漿膜と筋層を切開し、病変を牽引して自動縫合器で切除する。病変は腹腔鏡によって回収する。
③ 非穿孔式内視鏡的胃壁内反切除術(Non-exposed Endoscopic Wall-inversion Surgery: NEWS)
腹腔鏡で漿膜と筋層を切開し、病変を内反させながら漿膜筋層を縫合する。その後内視鏡で粘膜切開し、経口的に病変を回収する。

一方、リンパ節転移が疑われる早期胃癌については、決められた範囲のリンパ節郭清が必要です。
このような症例にはこれまで幽門側胃切除や胃全摘が行われてきました。
しかし悪性黒色腫や乳癌ですでに臨床応用されているセンチネルリンパ節理論を早期胃癌にも応用することで、胃の切除面積をより縮小することが可能になります。
この手術方法をセンチネルリンパ節ナビゲーション手術(Sentinel Node Navigation Surgery: SNNS)といいます。

動画ではそれぞれの術式についてイラストや実際の術中写真をまじえてわかりやすく示していただいております。
また、それぞれの手技の適応についてもきれいにまとめていただきました。
ぜひご覧ください。