乳がんを疑う所見~紹介受診まで

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【目次】
00:14~ 乳癌の初発症状
01:06~ 乳癌の診断
02:06~ 乳癌罹患のリスク因子
03:12~ 診察の要点:視診
06:53~ 触診手技
07:20~ 乳癌検診の目的と種類
08:55~ 乳房X線撮影装置:マンモグラフィ(MMG)
10:19~ 乳腺における石灰化
11:27~ 石灰化の分布による分類
11:51~ 乳腺密度
12:51~ 乳癌検診の検査方法
13:39~ 乳房の年齢による変化

乳癌の初発症状で最も多いのは、しこりです。乳房の痛みを訴えて受診される人がいますが、乳癌の初発症状としては稀です。

乳癌の診断では、問診の後、視診・触診→マンモグラフィ→超音波検査を行い、さらに病理検査(穿刺吸引細胞診・針生検)を行います。

乳癌罹患のリスク因子としては、「家族歴がある」「初経年齢が若い」「閉経年齢が遅い」 「出産経験が無い」などが挙げられています。
乳癌の発症メカニズムはまだ不明な点が多いですが、エストロゲンが増殖に関わっていることが知られています。

診察の要点をいくつか見ていきましょう。視診では、「皮膚の陥凹(delle, dimpling)」「乳頭の変形(後天的な陥凹、偏位)」「乳頭分泌(片側or両側、単孔or多孔、血性、白色)」「乳房の対称性(形状、色調の左右差)」「皮膚の発赤・浮腫」を見ていきます。
乳房の形状や色調に大きな左右差が現れる「炎症性乳癌」は、急性乳腺炎に酷似した所見を呈しますが、予後が不良であるため、「単なる炎症」と見逃さないように気をつける必要があります。
その他、視診のポイントとして「乳頭・乳輪部のびらん」があります。「皮膚の膨隆・潰瘍」も稀ではありますが、局所進行乳癌の形で見つかることが多いようです。

乳癌の触診手技は、第2~4指の腹を使って乳房の上を適度な圧力をかけなが滑らせるイメージで行います。しこりの有無、しこりがあればその辺縁を確認していきます。

乳癌検診は症状が無い人が対象であるため、その目的は「早期発見・早期治療」です。
乳癌検診の種類には、2つあります。対策型検診(地方自治体による公費実施)と、任意型検診(人間ドックや職場検診など自費実施)です。
対策型検診では、マンモグラフィが主流で、視触診は減少傾向です。任意型検診では、マンモグラフィ、超音波、視触診が行われています。

マンモグラフィでは、乳腺実質が見えるように乳房全体を撮影し、検査します。画像から腫瘤の形状を確認し、カテゴリー分類を行います。
石灰化の有無や形態も確認します。石灰化はカルシウムの沈着ですが、分泌型と壊死型があります。
石灰化の分布による分類もあります。びまん性分布は良性であることが多く、集簇、区域性のあるものは乳癌を疑います。

最近、乳癌検診や診断で話題になっているのが「乳腺密度」です。
乳腺密度が高い場合、腫瘤を発見することが困難になります。乳腺密度は個人差が大きいため、乳房状態を確認するために一度マンモグラフィを受けて、乳腺密度をチェックしておくことが推奨されています。

乳癌検診で用いられるマンモグラフィと超音波検査には、それぞれ長所・短所があります。それぞれの特徴をよく理解して、その人の年齢や状態にあった検査をオーダーすることが重要です。