小児尿路感染症と関連する泌尿器疾患とその管理 Part2

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【目次】
00:18~ 小児の尿路感染症と関連する泌尿器科疾患とその管理
00:40~ 有熱性尿路感染症を起こした乳幼児に対する適切な管理の意義
01:29~ UTIの回数と腎瘢痕化の出現リスク
01:52~ Bottom-up Approach とTop-down Approach
03:32~ VURを有する小児に対する予防的抗菌薬の投与
04:41~ 有熱性尿感染症の小児に対する予防的抗菌薬の投与についての案
05:35~ 幼児期以降の有熱性尿路感染症と排尿排便障害の関連性
09:13~ Take Home Messages

有熱性UTIの乳児では急性期治療後も適切な管理が必要です。依存症があると、有熱性UITの反復リスクを高め、思春期以降の高血圧や腎不全の原因となります。

有熱性UTIを起こした乳児の管理方法として、Bottom-up Apptoach(BUA) とTop-down Approach(TDA)が提唱されています。
BUAは、有熱性UTIを起こした症例全てで、検査を実施してVURを発見する管理法です。
一方、TDAは、腎機能予後には腎実質における炎症性病変が重要であるという考え方から、急性期における腎実質病変を検出できる腎シンチを、発熱後7日以内に実施する管理法です。
これで異常を認めた場合にのみ、VURを検索します。
BUAでもTDAでも、VURを確認した場合は、予防的抗菌薬の継続投与(CAP)を行います。
従来は、「CAPを行うべきだ」と考えられていました。しかし2006年以降はCAPに否定的な論文が報告され、その後2014年に発表されたtriaiで、「VURの小児に対するCAPはUIT再発リスクを50%低下させる」と報告されたため、現在では高度VURの小児へのCAPは有意義と考えられています。

有熱性UTIの既往がある2歳以下の患者で、水腎症やVURなどのCAKUTを認めUTIを再発した場合や、高度VURを認める場合は、ST合剤を用いたCAPを実施するべきと考えられます。
ST合剤以外では、CCL等でも良いかと思われます。
CAPの中止時期は、水腎症やVURの自然治癒を確認した場合で、自然治癒が確認できない場合も就学時に一旦中止するのが良いと思われます。

乳幼児の有熱性UTIのリスク因子としては、VURや水腎症が挙げられてきました。
近年、排尿排便の自律する幼児期以降の有熱性UTIのリスク因子として、尿意切迫や排尿排便障害(BBD)が重要視されています。

一方で「BBDは発達過程における個体差であり病的ではない。したがってUITとの関連性も低い」とする考えも根強くあります。
最近、この関連性を検討する臨床研究が実施されました。
この研究によって、過活動膀胱の素因をもつ幼児が、就学をきっかけに尿意・便意を我慢するようになったためにBBDを発症したのではないかと推測され、排尿排便の自律以降に、有熱性UTIを初発した幼児においては、過活動膀胱など排尿障害が誘因となっている可能性が示唆されています。
UTI再発を予防するためには、BBDの正確な評価と、適切な管理・指導が重要です。