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認知症について -Part2-


横浜市立脳卒中・神経脊椎センター 臨床研究部 部長 秋山 治彦先生による「認知症について」のプレゼンテーションのPart2です。

【目次】
0:11~認知症の一般的な進行、症状
3:00~軽度認知障害MCIの人へのサポートについて
5:18~認知症におけるかかりつけ医の役割
6:33~認知症や軽度認知障害MCIの人の家族・介護者への支援・指導について
8:52~認知症の予防と根本治療について

【概要文】
認知症は、認知機能と生活機能が低下した状態として定義され、数十年かけて徐々に進行する疾患です。
はじめのうちは年齢相応の認知機能と区別がつきませんが、次第に軽度認知障害(MCI)に移行し、軽度認知障害(MCI)から日常生活の自立が困難になった難しくなった場合に認知症と診断されます。

一方、数日単位で急激に認知症が進行したように感じるケースのほとんどは、せん妄によるものです。
認知症とせん妄では治療法が全く異なるため、鑑別が非常に重要です。

認知症の原因疾患としては、アルツハイマー病を代表とする神経変性疾患や、血管性認知症をはじめ、さまざまな疾患があります。
認知症の原因がうつ病や甲状腺機能低下症などの場合は、原疾患の治療で認知症の改善が見込めます。そのため、早い段階で専門的な検査・診断へつなげることが重要です。

認知症の症状は中核症状と行動・心理症状BPSDに分けられます。
中核症状は脳病変によって生じる症状で、中核症状に元々の性格や環境の要因が加わると行動・心理症状BPSDが現れます。
ただし、軽度認知障害MCIの段階で行動・心理症状BPSDが生じることもあります。これを軽度行動障害(Mild Behavioral Impairment:MBI)といいます。

認知症の診断・治療においてはかかりつけ医のおける役割は非常に大きいといえます。
服薬等のコンプライアンス不良や不適切な受診間隔などが認知症の早期発見につながるため、これらの点に注目することが大切です。
さらに認知症や軽度認知障害MCIの人の家族、介護者への支援や指導も欠かせません。
プレゼンテーションで支援や指導の内容について詳しく解説していただきましたので、ぜひご覧ください。

認知症に対する有効な予防法は、現時点では確立されていません。一方で、WHOが認知症の予防として12項目の生活改善や病気の治療を推奨しています。
研究開発中の予防法としては、高コレステロール血症や高血圧を薬剤で予防したり、アルツハイマー病で脳に蓄積されるアミロイドβの蓄積を減少させたりする方法が検討されています。

Part2では認知症の具体的な症状と、本人、家族、介護者へのサポート、認知症の予防と根本治療について解説していただきました。
認知症の早期発見のために、かかりつけ医は非常に大きな役割を担っています。また、本人や周囲の人への支援や指導も欠かせません。
日常診療に役立つ情報が数多く紹介されていますので、ぜひご覧ください。