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仁科 秀崇先生:withコロナ時代のPCI -part3-

  • 仁科 秀崇 先生

【目次】
00:16~ 胸部症状は客観的か主観的か(ORBITA trial)
04:28~ FAME 2 trialの結果
07:28~ 「やっていないことへの不安」と「信じるものは救われる」
09:35~ with CORONA時代における共有意思決定の重要性


胸部症状は主観的な部分が多く、「病は気から」という言葉があるように、慎重に検討する必要があります。ほとんどの無作為化研究では、受けた治療を患者さんも医師も把握しているため、バイアスが入りやすいと考えられています。
このようなバイアスの影響を排除した上で治療法を比較するために行われたのがORBITA trialです。バイアス排除のために治療かプラセボかを患者、病院スタッフかかりつけ医にも伝えずに実施されました。
結果として、プラセボの効果が大きいということが分かりました。

FAME 2 trialは、ISCHEMIA trialと似たデザインの研究で、全ての病変のFFRを調べてその値によって虚血の有無を分け、PCI、内科的治療、その両方のいずれかに分けて実施したものです。
結果、内科的治療のみだったケースでは、イベントが増加し、侵略的戦略がベターということが分かりました。ハードエンドポイントである総死亡では有意差が見られなかったものの、心筋梗塞に限ってみると、内科的治療+PCIの方が、内科的治療のみのケースに比較して有意に低い割合でした。これはISCHEMIA trialとほとんど同じ結果です。
また、ソフトエンドポイントの準緊急のPCIにが薬物療法のみのケースで多く見られました。
FAME 2 trialのsub studyでは、虚血陽性の群でPCIを行っていないことを知っている群では、無作為化後よりも症状悪化によるPCIが急速に増加しているという結果が出ています。
一方、虚血無しの群で「有意な狭窄はなかった」と伝えることで、狭心症症状は77%減少しました。つまり、安心による症状の改善効果は大きいと言えます。

with CORONA時代は、様々な心配を抱えている患者さんに対して、「内科的治療をきちんと行えば経過を見ていても死亡リスクは増加しない」「コロナが落ち着くまでの短期間ならば大丈夫」ということを伝え、疾患についての正しい情報を伝えることで、不安を取り除き、安心してもらうことで症状を軽快させることが重要と言えます。