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口腔環境とがん -4種の口腔細菌が及ぼす大腸がんへの関与の可能性- Part2


【目次】
0:12~ 腸内細菌叢と大腸がん・肝臓がん
3:24~ 口腔細菌と大腸がんの関係性を調べる研究
4:16~ 結果①細菌叢の構成
5:48~ 結果②健常者と大腸癌患者間での菌叢の多様性の比較
6:56~ 結果③健常人と大腸癌患者間での細菌叢の比較
8:37~ 結果④健常人と大腸癌患者間での各菌種の相対存在量の比較
9:03~ 結果⑤早期癌と進行癌での細菌叢の比較
9:55~ 結果⑥早期癌と進行癌での各菌種の相対存在量の比較

【概要】
腸内細菌叢は口腔細菌叢により変化することが分かっています。また、肝臓がんや大腸がんの原因菌の中には、歯周病菌など口腔内細菌が関わっていることが、大阪大学微生物病研究所の原英二先生方の研究により明らかになっています。そこで杉浦先生と原先生は、大腸がんの大腸細菌叢に対する口腔細菌叢の関与について、共同で研究しました。
研究には大腸がんと診断された患者と健常者それぞれの唾液と便を用い、細菌叢を解析しています。
大まかな細菌叢の構成は、健常者と大腸がん患者で明確な差はありませんでした。菌叢の多様性は、唾液では健常者と大腸癌患者で差はありませんでしたが、便では有意な差が認められ、大腸がんの原因・誘因となる細菌があることが示唆されました。細菌種レベルで調べたところ、大腸がん患者の唾液と便に共通して相対存在量が多くなっている口腔常在菌があることが分かりました。
また、早期大腸がんに比べ進行大腸がんの唾液と便に共通して相対存在量が多くなっている口腔常在菌も存在することが明らかになりました。

【キーワード】口腔細菌,大腸癌,口腔環境,Epigenetic,がん遺伝子,がん抑制遺伝子,鹿児島大学,顎顔面疾患制御学分野,杉浦剛