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【速報】日本医師会 定例記者会見 (2020.5.20)

舌がんに対する密封小線源治療について

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東京医科歯科大学病院 腫瘍放射線治療学分野 教授 吉村亮一先生による「舌がんに対する密封小線源治療について」のプレゼンテーションです。

【目次】
0:11~ イントロダクション
0:58~ 舌癌小線源治療の適応
3:34~ 舌癌小線源治療の治療成績
9:33~ 臨床現場での取り組み


日本において、舌癌の治療に関するガイドラインは2つあります。
1つは口腔癌診療ガイドラインで、2013年版ではT1 N0とearlyT2 N0に対し小線源治療が適応と記載されています。

もう1つは頭頸部がん診療ガイドラインです。
2013年版、2018年版ともにT1N0、T2N0、T3N0の症例に対し組織内照射(小線源治療)が適応と記載されています。
さらに頭頸部がん診療ガイドラインでは、組織内照射後に腫瘍が残存しても、手術と術後補助療法によって救済できるとしています。


Ⅰ期舌癌の原病生存率は15年で8~9割、Ⅱ期舌癌の原病生存率は5年で7割程度です。
吉村先生の印象としては、Ⅰ期Ⅱ期では、局所のコントロールは良好な一方、頸部リンパ節転移から遠隔転移へ移行しやすいとのことのことでした。

一方、Ⅲ期の原病生存率については、腫瘍の広がり方によって生存率に差が出ます。
表在型であれば、予後が良い一方、内向型では局所のコントロールも難しくなり、遠隔転移がおこりやすいというのが現状です。


舌癌に対する小線源治療の副作用は大きく次の2つが挙げられます。
①口腔粘膜の炎症
②顎骨壊死

口腔粘膜の炎症は、治療直後は必発といえますが、晩期まで継続するケースが約3割みられます。治療の要不要は患者によってさまざまです。
晩期の顎骨壊死については、内科的治療、外科的治療を要するケースもあります。


EORTC QLQ-HN35を用いた、舌癌に対する小線源治療後のQOLに関する調査では、嚥下、食事、会話について改善したという報告が得られました。
この調査結果では、治療後の早期からQOLが改善し、治療法として有効であるといえます。


動画では、実際の症例の画像をまじえて治療前後の変化を示してくださいました。
内向型の症例であっても、放射線の外部照射や抗がん剤を組み合わせて小線源治療を行うことで、外科的治療を避けて治療を進めることができるといいます。


小線源治療を中心とした集学的治療が、「外科的治療を避けたい」という患者の希望に応える治療法として、今後広がっていく可能性があります。
ぜひご覧ください。