下肢静脈瘤の治療適応とそのエビデンス

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【目次】
00:30~ 下肢静脈瘤治療における生活指導
01:14~ 弾性ストッキングの有用性
01:36~ 下肢静脈瘤の症状
02:31~ 皮膚病変のない静脈瘤に対してのストッキング着用
03:09~  手術可能な下肢静脈瘤に対してストッキングのみで加療すること
04:22~ 下肢静脈瘤管内内焼灼術の適応
05:13~ 症状のない静脈瘤に対する血管内焼灼術
06:20~ 深部静脈血栓症・肺塞栓症予防のための下肢静脈瘤治療
08:36~ 静脈性潰瘍に対する手術
10:14~ 下肢静脈瘤血管内焼灼術の適正使用 


肥満は下肢静脈瘤の進行因子になっているため、慢性的な静脈不全の治療では生活指導が重要なポイントとなります。
症状改善のためには、積極的に足を動かすように指導することも大切です。

無症状の人に弾性ストッキングを着用させることの効果ですが、静脈瘤予防としての有用性ははっきりしません。
その他、治療後の再発予防目的の弾性ストッキング着用は、エビデンスに乏しく、奨励されていません。

下肢静脈瘤の症状は、下肢の重さ・だるさ、こむら返り、かゆみ、浮腫、疼痛、不快感などがありますが、必ずしも下肢静脈瘤に起因するとは限りません。
超音波検査や年齢・性別・生活習慣などを加味して、慎重に検討することが必要です。

有症状でも皮膚病変のない静脈瘤に対してのストッキング着用は、有用性がはっきりしておらず、多くの研究がなされていますが、静脈瘤進展予防のエビデンスはありません。
痛みが改善されれば良いですが、そうでなければ積極的な着用は推奨されないようです。

手術可能な下肢静脈瘤の患者さんの場合、弾性ストッキングのみで加療すると生活の質に影響します。
理由なく漫然と圧迫療法を行うのは推奨されておらず、コスト・QOL両面で手術が可能であれば行う方が良いとされています。

下肢静脈瘤血管内焼灼術の適応は、症状のある静脈瘤の第1選択です。
各国のガイドラインでは、手術に優先して血管内焼灼術が推奨されています。療養期間が短く、疼痛・合併症が少ないためです。
一方、症状のない静脈瘤に血管内焼灼術を行うことは、有用ではありません。悪化予防のための手術、というのは成立せず、症状のない人に対する侵襲的な治療の研究はありません。
また、深部静脈血栓症・肺塞栓症予防のための下肢静脈瘤治療は成り立ちません。
静脈性潰瘍に対しての手術は、早期に血管内焼灼術を行うことが推奨されていますが、圧迫療法ですぐに治る症例では圧迫を行います。
血管内焼灼術は低侵襲であるため、潰瘍症例でも早期に実施するようになっています。

下肢静脈瘤血管内焼灼術は、適正に使用することが求められています。
下肢静脈瘤の患者さん全てに手術が必要なわけではありません。過剰診療は患者のためになりませんし、さらに医療経済的にも悪影響です。
また、必要のない手術施行は司法介入のきっかけにもなります。十分な検討・吟味の上、手術を行うかどうかを決める必要があります。