診療科概要
臨床
当科は食道から直腸・肛門にいたる全消化管、肝胆膵と脾臓を含めた消化器疾患を専門とする診療科です。
疾患内容は急性腹症に代表される腹部救急疾患から消化器悪性腫瘍まで多岐にわたり、その手術件数は年間1,400例を越えております。
また当科では多くの学会の専門医・指導医を数多く擁し、どの領域においてもわが国トップレベルの質の高い医療を提供していると自負しております。取り扱う臓器も疾患も多岐にわたっているため、それぞれの臓器別に診療グループを構成、各分野の治療成績の向上を目指し日夜努力しています。
また当科では他科との連携により併存疾患を有したハイリスク患者様に対しても積極的に治療を行っております。他病院で治療を断られた患者様に対しても可能な限り対応するのが大学病院の責務と考えております。
研究
当教室では臨床に根差し、将来に繋がる以下の研究を進めています。
- 腹腔鏡下手術における、基礎的技術のためのトレーニングシステムの構築及びその実践
- 低侵襲手術の開発と実践
- 重症感染症、ショック、手術侵襲の病態解明やその治療に関する研究
- 腹膜炎、腸閉塞などの急性腹症の病態解明
- 消化器癌に対する薬物療法の基礎・臨床研究と集学的・個別化治療
- 消化器癌の発癌機序の分子生物学的解析とその予防・治療への応用
- 消化器癌の予後、化学療法の効果予測、耐性獲得予測に有用なバイオマーカー探索
- 消化器悪性腫瘍の病態解明とその集学的治療法の研究
- 消化器癌術後における再発の早期診断、治療に関する研究
- 消化器癌の遺伝子多型と抗癌剤治療
教育
これから求められるのは深い(垂直型)専門的知識と実践力を有するのみならず、他の領域にもわたる幅広い(水平型)臨床能力を兼ね備えたバランスのとれた外科医であると考えております。
手術手技に習熟し、常に新しい医学医療技術を学ぶことは外科医にとっては当然ですが、同時に優しい、いたわりの気持ちを持って患者様に接することも大切です。よって、「人を思いやる心」を重んじた医学教育に力を注ぎ、さらには患者様の心理的側面や、置かれた社会的な背景にも十分配慮できる外科医の育成が教室の重要な仕事の一つと考えています。
近年の医学の進歩は目覚しく、その進歩が速やかにとり入れられ、日常診療に応用される可能性を求めて日夜努力しております。つまり、「楽しく働き・熱心に学ぶ」、常に外科臨床に沿った基礎研究に真摯な姿勢の教室でありたいと念願しています。