循環器系疾患
withコロナ時代のPCI -part1-

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【目次】
00:28~ 仁科医師の紹介
00:46~ すでに時代は”with-Corona”
01:13~ COVID pandemicのPCIへの影響(英国)
02:26~ 本邦における待機症例に対する対応
03:22~ 世界におけるSTEMI治療への影響
04:06~ 筑波メディカルセンター病院でのPCI数の推移
05:22~ with コロナ時代のPCI
07:16~ 患者さん、かかりつけ医のジレンマ
08:21~ PCIを勧めるか?勧めないか?
08:52~ ISCHEMIA trialの研究デザイン


日本におけるCOVID-19新規感染者数は、第1波、第2波、第3波がようやく落ち着いてきたという状況です。ワクチン接種も開始され、次に訪れる感染の波に備える時期と言えます。今後しばらくはCOVID-19との共生を余儀なくされるでしょう。

循環器診療では、COVIDのパンデミックが非常に大きな影響を与えています。具体的には、パンデミック以前と比較すると、PCIの実施件数は激減しています。英国のデータを見ると、ロックダウン以降、安定狭心症(待機的症例)は激減、不安定狭心症やnSTEMIなどのあまり待機できない症例についても減少、ST上昇型急性心筋梗塞でさえ減少傾向となりました。
日本では、第一波の時点では、待機的症例に対しては流行地域かどうかに関わらずPCIの延期を選択したケースが多くありました。一方、ST上昇型急性心筋梗塞など生命予後に関わる症例に対しては、流行の如何にかかわらず施術を続行していました。
世界的に見ると、PCIの実施件数は減少しており、発症してからPCIを受けるまでに12時間以上と時間がかかってしまったケースは増加、結果として院内死亡率も増加しています。
筑波メディカルセンター病院では、緊急事態宣言のあった2020年4月、5月における緊急症例に対する実施件数は変わらず、待機的症例に対するPCI実施は減少しました。全国の新規感染者数が増加してきた10、11月は対応慣れしてきたのか、待機的症例に対する実施件数もそれほど変化はなかったと言えます。

今回の話は次のような患者さんと地域の医師向けの話です。
「70歳代男性、左前下行枝に冠動脈狭窄があり心筋虚血が証明されているいわゆる”安定狭心症”。心機能は良好、症状は典型適、一部非典型的」
COVID下でこのようなケースには、患者さん、かかりつけ医双方にジレンマが生じます。
具体的ジレンマとして、PCIを待つべきか、内科的療法で様子を見ても良いのか、内科的療法で死亡や心筋梗塞といったイベントが増えるのではないか、といった懸念がありますが、これらに対する解決策の1つがISCHEMIA試験です。これは大規模な試験で、いくつかの群に分けて、治療法を選択するという研究デザインがなされています。
また、2003年の研究結果から、10%以上の心筋虚血があれば、血行再建が予後を改善することが分かっています。