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進行肺癌に対する薬物療法の話題 Part1


九州がんセンター 呼吸器腫瘍科 瀬戸 貴司 先生によるプレゼンテーションです。

【目次】
00:25~ 肺がん薬物療法の3本の柱
00:46~ 免疫チェックポイント阻害剤のメカニズム
01:47~ 免疫チェックポイント阻害剤の例
02:23~ ぺムブロリズマブ阻害剤臨床試験フェーズⅠ
04:40~ ぺムブロリズマブ阻害剤臨床試験フェーズⅢ
05:19~ 再発・再燃非小細胞肺癌
06:10~ PD-L1発現率別生存期間延長効果
07:20~ ぺムブロリズマブの苦手な分野
07:44~ ニボルマブの臨床試験
09:49~ がんの遺伝子変異の数と治療効果
10:33~ ぺムブロリズマブの得意分野と苦手分野
11:42~ PD-L1強発現非小細胞肺癌

【概要文】
肺がん薬物療法は緩和療法をベースとして、殺細胞性抗がん剤、分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害剤の3種類を用いて行うようになりました。
この動画では免疫チェックポイント阻害剤について解説します。
がん細胞に対しリンパ球がサイトカインによって過剰に攻撃すると、細胞から発現したPD-L1がリンパ球のPD-1と結合してリンパ球が不活化し、がん細胞が成長してしまいます。PD-1抗体やPD-L1抗体はこの結合を解き、リンパ球を再活性化してがん細胞への攻撃性を取り戻すので、免疫チェックポイント阻害剤と呼ばれます。

ぺムブロリズマブの臨床試験においては、PD-L1の発現割合が高いほど奏効率が高いことが示されました。
またPD-L1陽性の患者群は、標準治療であったドセタキセルよりもぺムブロリズマブの方が生存期間を延長する効果が高いことが認められました。
しかし、EGFR変異陽性患者に対する効果は低いことも分かりました。
ニボルマブでも、遺伝子変異の数が多いがんであるほど治療効果が高いことが分かっており、遺伝子変異の数と免疫チェックポイント阻害剤の効果は相関があると考えられています。