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コロナ後遺症外来での治療のいま Part3


【目次】
00:06~ コロナ後遺症を引き起こす3つのメカニズム
01:13~ コロナ後遺症におけるワクチン接種の有効性
01:41~ デルタ株に対するワクチンの効果
02:11~ コロナ後遺症外来の進展と課題

【概要文】
新型コロナウイルスのレセプター(受容体)はACE2と呼ばれるもので、粘膜・神経などに存在し、ウイルスを引き寄せます。これが感染の簡単なメカニズムです。

現在自宅療養やホテル療養などで孤立的な生活を余儀なくされている患者さんは、心身の両面でとても疲労しています。これは後遺症を来す1つのメカニズムと言えるでしょう。
後遺症を引き起こすメカニズムとして考えられているもう一つが炎症です。コロナ感染症では全身の炎症が強く起こるのが特徴で、全身の細胞を炎症で疲弊させ、後遺症を引き起こします。
さらに、感染によって全身に微小な血栓が作られやすくなり、この血栓が臓器に影響を与えて後遺症を残すとも考えられています。

ワクチン接種がコロナ後遺症に直接的な効果を示すのかどうかについて、まだ完全なデータは報告されていません。しかし欧米のデータでは、ワクチン接種後の方が後遺症が軽症化する・短期間で治癒する、ということが分かっています。
後遺症に対する特効薬が無い限り、まずは感染しないように注意するのが大前提ですが、後遺症に対するワクチンの必要性はあると言えます。

デルタ株に対するワクチンの有効性はある程度判明していますが、後遺症についてはまだ明らかでない状況です。
デルタ株の感染スピードは速く、若年者での感染が多いことも踏まえると、後遺症を持つ患者さんは今後増えることが懸念されています。これを防ぐためにもワクチンの普及は重要です。

岡山大学病院「コロナ・アフターケア外来」のような後遺症外来は、患者さんの窓口として非常に重要です。
オンライン診療という方法も大事ですが、患者さんと対面で診察するステップは後遺症の診断に欠かせません。
ワクチンの副反応、感染時の診療から後遺症までを一つの流れの中で診療できるのがベストです。外来・クリニック、あるいは病院間の連携を介して、より多くの患者データを収集し、治療・予防の方策を共有できる仕組みができれば、日本におけるコロナ後遺症対策はより発展すると考えられます。